〔告知〕2023年4月1日より道路交通法が改正「ヘルメット着用努力義務化」が開始されます。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

〔告知〕2023年4月1日より改正道路交通法施行「ヘルメット着用努力義務化」

 

 

 はい、こんばんは「サイクリング長野」でございます。
今日も26時を過ぎてようやくホームページ更新の時間です。
朝までに自転車学校の要綱をなど作らないといけないのですが
どうにもアイディアがわかなくて、とりあえずホームページ更新しています。

 

 

 さて、新年度2023年4月1日より

改正道路交通法の施行により、4月から全ての人に

ヘルメットの着用が努力義務となります。

 

 

もう、散々このサイトではヘルメットについて話して来たし

今さら改めて何かを語るということも無いのですが…

自転車総合サイトなので、お知らせも兼ねて

つれづれにお話しをしたいと思います。

※今日も音声読み上げで聴いて下さい。

 

 

正直この問題に関しては、皆さん結構「鈍い」ですよね。

皆んな思ってることは…

「努力義務ということは、着用義務では無い」ということ。

 

 

まぁ罰則も無いし、別にいいじゃん。

みたいな空気は確かに流れているし

かくいう自分もそう!

 

 

4月からどの程度、自転車を取り巻く環境が変わるか?

というのは非常に個人的にも興味のあるところですが…

とりあえず、当サイトなりに思うことを

つれづれに書いてみたいと思います。

 

 

【2020年の道交法改正】

2020年は「あおり運転」が大きく取り上げられた。

 

 

 

改正される法律について。

 

クリックすると大きくなります。

 

 

 で!ヘルメット着用努力義務ってのは

先ず一体どういう根拠で行われるのか?ということですが

道路交通法が改訂されます。改訂される部分は以下のとおり…

 

 

 

道路交通法第63条の11 (令和5年4月1日以降)

第1項
自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
第2項
自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
第3項
児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは
当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

 

自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならないのはもちろんのこと、同乗する方にもヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません。また、保護者等の方は、児童や幼児が自転車を運転する際は、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません。

 

 

 

 

 

 

努力義務で思うこと…

 

 

 

色々とこの「ヘルメット着用努力義務」について

自転車有識者の皆さんがザワザワしていますが

まず今回は【道交法の改正】ここが大もとであるということ。

 

 

何か憲法の「教育を”受けさせる”義務」みたいな感じがしますが… 

 

 

今回率直に自分が感じたことは

先ずは「ヘルメットを極力被るように皆で努力しよう!」

言った感じなんですかね?

何が何でも絶対に被れ!被らない奴は逮捕するぞ!!とは

明らかに違いますよね⁉

 

 

もしそうであれば、近所のホームセンターの

ヘルメットが一斉に姿を消したと思います。

 

 

で先般、県内の某自転車店の若衆の方と

たまたまヘルメットの話しになって

 

 

ヘルメット着用義務になって、罰則が無いなかで

自転車利用者側に何か不利益ってあるんスか?

 

 

という質問を受けて、そこからなかなか面白い議論となったのですが

個人的に考えられるのは、やっぱり事故をした時の保険の適応時や

法廷闘争になった時に不利益になるのでは無いかな?直感的に思いました。

 

 

一応、道交法上罰則は無けれど「被れ!」としてあるのにも関わらず

被ってなければ、おそらく法律は被着用者を守ってはくれないのでは無いか?

また、そこを突いてくる人間は絶対にいる!と感じています。

 

 

とはいえ、これもまだ判例も無いし

そもそもヘルメット被ることって…

「事故が起こった際の法律ありき」では無いですよね⁉ 

 

 

以前も言ったのですが、自分は長らく

法律で「ヘルメット着用義務の国」に住んでいたんですが

有名な論文のとおり、ヘルメット着用を義務とすると

自転車の使用率というのが下がるというのは強く体感としてありました

 

 

いま国は「環境のため車から自転車へ!」みたいなことを

推し進めている中でヘルメット着用完全義務化を強行するのであれば

それは…

 

 

太りながら痩せろというようなモノに感じます。

 

 

だから、とりあえず現時点での「自転車普及の戦略的な観点」からすれば

法的には、この辺りが「落としどころ」だったんだろうな?と感じます。 

 

 

また、長野県の思想・風土を加味して

仮に来週の月曜日から、駅前で警察官が並んで

ヘルメット被着用者を片っ端からしょっぴいたら… 

 

 

おそらく、それを長野県の多くの人たち、とりわけ

県内大手メディアがどう動き、何を言い出すのか?

それは、県民の皆さんが一番よく解っているのでは?と思います。

 

 

ただ少し視点を変え、法律の話では無く

「長野県の自転車事故傾向」「安全面」から話しをすれば…

 

 

昨年の長野県の死亡事故の全てはヘルメット非着用だそうで、

これはやはり非常に重い事実なわけです。

 

 

 

 

 

 

自分も自転車に乗っていて2度酷い落車をして

ヘルメットに命を守られたことがあるので

もはや高速域で走る際にはヘルメットを被らないことは

考えられないし、スポーツバイクに乗って公道に出るならば

被らないという選択肢は200%無い訳です

 

 

 

 

ただ、自転車サイトを運営している上で

それを他者にどこまで推奨するか?となると

これが非常に難しい。 

 

 

なぜなら、個々の自転車ライフスタイルが違うからです。

それこそ「ちょっとそこの自販機まで…」 

それさえ目くじら立てて強制するのってどうよ?

自分個人としては、ココは何か物凄く違う気がする。

 

 

我々はコロナで散々そこに閉塞感を感じて来た訳じゃないですか?

何だか世の中があまりにガチガチに固められてしまうというのも

いかがなものか?と思います。

 

 

 

では…どうするか?

 

 

 

個人的にも常に言い続けていることなのですが

以前、スポーツでアジアの某国に遠征した時に

その国では「原チャリ」や「スクーター」等はノーヘルでOKでした。

もう街の中を物凄いバイクが走っていて、初めてその光景を見た時に

「随分と野蛮な国で遅れているなぁ…」と思ってしまいました。

 

そして、前筆の自分が「自転車ヘルメット着用義務の国」から

日本へ帰省した時に、ふと同じことを思ったんですね。

「この国スゲー自転車ノーヘルで走ってる!

しかもゴチャゴチャしてるし運転あぶねー!」みたいな。

 

 

ここから思うことは、やはり最後は 

「ヘルメットを被っているのが当然」と個々が感じるように… 

自然と仕向けて行くことが大切なのかな?と思います。

 

 

そのために最も大切なことは 幼少期からの教育がカギとなり

もし当サイトが言う「自然なカタチで時間をかけて…」という戦略が

許されるのであれば、ここへ強く働きかけてもらえればと思います。

 

 

どちらにしても、凄く難しいことであり下手すれば

また「マスク警察」になってしまう恐れもあるのですが 

少し時間をかけて細く長く… いつの間にか

ごくごく自然にヘルメットを被ることが普通になっていた…

となればと最良だと思います。

 

 

最後に、今回の「努力義務」という含みのある言葉が

ソレを目指すものであるならば、自分の立場としては

複雑な想いはありながらも、その一歩として

今回の改正を支持して行きたいと思います。

 

 

 

 

自転車選手の皆さんへ

 

 

 

 再三になりますが、当サイトの読者の方というのは

小学生から高齢の方まで選手ライセンスを持った競技者の方も

多いと思います。

 

 

当サイトとしては、競技者の皆さんには

強くヘルメット着用を訴えます。 

 

 

去年あった二つの大きな事故を忘れてもらっては困るし

何度も言いますが、競技者の練習中のヘルメット着用は

UCI国際ルール・JCF国内ルールで明記された義務です!

 

 

 

 

再三ですが、ライセンスを持つ競技者の皆さんは

年齢や経験問わず、下記の徹底をお願いしたいと思います。

 

 

 


 

自転車競技者(ライセンス保持者)の皆さんへ

 競技者の皆さんの競技中・練習時のヘルメット着用は
 「UCI国際ルール」・「JCFルール義務」です!


 確かに、日本国内の道路交通法を含め法的義務ではありません
 それよりも
当サイトが上級者・経験者の皆さんにお願いしたいことは
 
 特に「選手ライセンス」を保有している競技者が率先してヘルメットを被ることで
 後に続くスポーツ自転車愛好家の方や、子供達のお手本になって下さい。
  ※特に「あご紐」に注意して正しい着用の上ヘルメットを装着してください。

 

 

 JCF競技規則集 第3章「競技者の装備」第8条

 3項
 トラックレース、マウンテンバイク、シクロクロス、トライアル、BMX、BMXフリースタイル
 さらに
サイクリング・フォア・オールの競技および練習においては
 連盟公認のヘルメットの着用を義務付ける。 

 4項
 ロードレースにおいても、競技・練習において連盟公認のヘルメットの薬用を義務付ける。

 

 

 もうライセンス保持者に、色々というのもナンセンスかも知れませんが
 自転車に乗らない人が「自転車って格好いい…」そんな憧れを持つような
 立ち振る舞いをしてもらえれば最良です。

 

 

忘れられない山浦選手の言葉

 

 

 去年の鹿児島で開催された、インカレ大会初日

「男子スクラッチ」に長野県から山浦秀明選手(松本大学)が登場し

たまたまYoutubeでお昼休みに見ていたのですが、

そのレースで、山浦選手は前方で走行していた選手の

集団落車に巻き込まれ、自転車ごと頭から地面に叩きつけられました。

言い方が悪いですが、前で落車した選手に突っ込んでしまい

「自転車ごと一人パイルドライバー」のような状態。

映像でみていても非常に危険な落車で

フロントフォークも折れる壮絶なモノでした。

 

 

山浦選手はそのまま救急車で病院搬送されたのですが

幸いにも大怪我にはならず、その日のウチに本人からも「大丈夫です」という

メールをもらいました。しかし…

 

 

その後しばらくは、頭から落ちた影響で

常に船に乗っているかのようで、船酔いのような

気持ち悪さが続いたと言っていました。

 

 

そして、長野へ帰ってきてから

ヘルメットにの重要性について

こう語ってくれました… 

 

 

 

今までヘルメットを選ぶ際に、

「軽さ」や「ベンチレーション」(快適性)を

何より重視していたけど、今回の頭からの落車で

そういうのは正直どうでも良くなりました。

 

とにかく、ヘルメットで大切なのは

しっかりと頭部を保護してくれるもので

それが唯一無二で、最も重要なことです。

それ以外は本当に無いのかも知れません。

これからはそうした基準で

ヘルメットを選ぼうと思いました。

 

 

この時の山浦選手の言葉は非常に強いモノであり

あのレースを見ていた自分にとっても 

非常にメッセージ性のあるものでした。

 

これから競技を始める方や、

サイクリングイベントに出場される方は

是非、レース中に大きな落車を経験した

山浦選手の言葉を参考にしてもらえればと思います。

 

 

昨年の長野県代表でもある山浦秀明(松本大学)
〔画像:中央〕

 

 

 

 

過去のヘルメット関連記事

 

 

 

 

 

という訳で、ヘルメットのお知らせでした。

ヘルメットに関しては自分も過去に語り尽くしているし

長野県としても現状、一定の結論が出ていると思ってます。

 

まぁちょっといま、本当に寝ている時間が無くて

本当はもっと色々な資料を集めて

論文みたいなカタチでモノを言えばいいのでしょうが

今の自分の中では、こうしたエッセイみたいな

文章が限界かな?と。

 

 

それと、やはり

このヘルメットの問題って

語るに際して「バランス感覚」が

非常に必要だと思うんですよね。 

 

 

法律をゴチャゴチャこねくり回すのは

個人的に非常に嫌な感じがします。

 

 

また、ヘルメット着用原理主義

これがもたらすものって何だろう? 

ここまで読んで下さった方には

少しそこを考えて頂きたい。 

 

 

 

その一方で、昨年の自転車競技界では

非常に不幸な事故がありました。 

 

 

その経験を踏まえて

どうやって自転車全体を通じて

怪我や死亡事故を減らして行くのか? 

 

 

今回の文中に

太りながら痩せて行く 

という表現を使ったけど… 

 

 

相対する問題に対して

どうやって対処して行くか?

そこにはやはり、自転車に携わる

全ての人に「バランス感覚」という

モノが求められると思います。 

 

 

とにかく、今回の改正の落としどころが

今後にどういう影響を与えて行くのか 

来週から先ずはそれを見守っていきたいと思います。

 

 

最後にお馴染みですが、当サイトから

具体的にどうしろとは言いません。 

それより、この文章を見てどう思うか?

それを問うています。他人様はどうでも良い。

あなたはどうありたいですか?

心ある誰かの考える糧になればと思います。

 

 

 

関連LINK

令和3年度「交通統計」(長野県警察)

自転車の安全利用推進委員会

長野県警察

OGK KABUTO

長野県