《エッセイ》緊急のお知らせ!子供の自転車の落車による頭部ダメージについてのお願い。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

脳震盪の話し…。

 

 

 こんばんは、今晩で夏休み限定企画「フライデーナイトVELOクラブ」が

終了いたしました。参加して下さった皆様・講師の皆様、そして

送迎して下さったご家族の皆様本当にありがとうございました!

 

 

そんな中で、今日ちょっと気になった事案があったので

情報を共有してもらえればと思います。

 

 

自分は医者では無いし、今は指導者でもないのですが

ちょっと今日は久しぶりに「エッセイ」として

つれづれにお話をしますので聞いてもらえればと思います。

 

 

今回のVELOクラブですが、落車で手のひらを骨折した者と

2週間ほど前に頭を打った者と二名の負傷者がいました。

 

 

それで気になったのが「頭部負傷の子」です。

 

 

自分もその子が二週間ほど前に落車して

頭部を負傷したことは聞いていましたが

後半になって気づいたのですが

確かに走りに元気が無い… 

 

 

最も自分はその頭部負傷の落車を直接見た訳でも無いし

どんな診断を受けたかもわからないのですが… 

 

 

 

ちょっと今日は緊急で

頭部負傷に関する昔話をしたいと思います。

 

 

 

それは自分が海外の学校のラグビー部の顧問になった時の話しです。

ドーピングの回にも話したと思いますが、自分のいた学校というのは

その国のスーパーエリートを集めた学校です。 

 

 

ラグビー部は特に国を代表する強豪で

校内に小学校4年生から「A」「B」「C」チームがあり

その間にU-13とか、U-15とかがあって

高校のトップチームまで… 

つまりウチの学園の中だけで

ラグビーチームが30チーム位ありました。

 

 

そんな中で、ある年に卒業した選手が

プロで活躍してナショナルチームの10番を背負うまで

成長しました。

 

 

あっという間に有名人になったので

野次馬根性・冷やかし根性 丸出しで、街で開催されたサイン会に

一般ファンに紛れて並んでサインをもらいに行って

その選手に「アンタ、何で並んでサインもらってるのよ??」

「つか、自分のサインなんているの??」と苦笑されたくらいです。

因みにそのサイン、日本へ帰って来てファンの女の子がいたのであげてしまいました。

 

 

まさにスター街道驀進中だったのですが… 

 

 

ある時に急に、その名前を聞かなくなりました。

それどころか、次に聞いた時は22~23歳?で引退するという話しでした。

思わずなんで??と思って新聞の記事を読んでいたら 

 

 

 

度重なる頭部への負傷で、脳震盪が慢性化して

日常生活でもめまいや吐き気をもたらし支障をきたしている…

 

 

 

とのこと、衝撃的でした。

 

 

この2000年代後半ってのは、90年代後半に解禁された

15人制ラグビーのプロ化が進んで

選手個々のフィジカルなども上がる一方で、

諸々のルール整備・コンディショニング整備が追い付いておらず

今になって振り返ってみれば「まだ未成熟な過渡期」だったと思います。 

※特にこの頃スクラムの組み方が毎年改正されルール覚えるのが大変だった。

 

 

これ以降も、さらにこうした若手選手・有名選手の

脳への経年ダメージによる事象が続いて

自分の記憶が確かであれば2011年のラグビーW杯の前?あと?? 

当時の国際ラグビー連盟(IRB)が一つの指針を打ち出します。

※ちょっと記憶があいまいだけどもしかするとSANZARかARFUが 
 IRBに先駆けて試験導入したかもしれない。

 

 

それが

 

 

HIA(Head Injury Assessment)
ヘッド・インジュリー・アセスメント

 

 

自分がコーチをしていた頃にこの御触れが出て

プロから小学校の試合まで試合中の頭部への

ダメージの規定が非常に厳しくなりました。

 

 

特に当時、現場の我々コーチ陣に強く言われたのが

セカンド・インパクト(2度目のダメージ)は

死に至る重大事項と心得よ!!

という非常に強いモノでした。

 

 

 

当時のHIAルールですが…

 

 

 

試合中、ピッチ内で脳震盪または脳震盪の疑いが出たら

その選手は即刻退場処分(もうその試合には出れません)

 

 

 

プロの試合でも、頭部へのダメージの疑いがあったら

レフリーが即試合を止めて、マッチ・ドクターの診察を受ける。

 

 

 

また、脳震盪で退場となった選手と

脳震盪の診断を受けた選手に対しては

確か「復帰へのガイドライン」に沿って

医者と共に回復までのチェック項目を全て

パスしないと復帰が出来ないようなシステムになっており

頭部へのダメージに関しては非常に厳しい制約がなされていました。

※これ俺、当時のモノをどこかにコピーして保管してあるんだけど…

 

 

 

因みに、日本に帰国して自転車関係者になった

いまは、もうラグビーを全く見なくなってしまい

世界がどうなっているのか?日本がどうなっているのか?

もはや全く解りませんが… 

 

 

おそらくHIAに基づくなんらかの基準は

2020年代の今も残っていることと思います。

※面倒だからもう調べない!

 

 

ちょっと話が長くなりましたが…

 

 

その若くして引退した選手の後日談を少し話せば 

彼はその数年後(4~5年後?)に復帰します。

プロ選手として再び契約されたことは大きなニュースになったし

選手としての旬は大きく過ぎてしまいましたが

再び代表候補にも選ばれていました。

 

 

正直言って、これは代表的なケースです。

 

 

実は、本当に敵味方無く、こうした頭部への経年ダメージで

凄い才能を持っていながらも、志半ばでピッチを去って行った

選手を沢山見て来ました。

 

 

今日、紹介した選手は数少ないハッピーエンド?と言っていいか微妙ですが

少なくとも想いを昇華で来た(はず)?選手は殆どいません。

自分のシェアメイトだった、サモア人もこの脳震盪の問題で

プロ契約してもらえませんでした。

※彼は本当に悲惨でした…彼は最後はドラッグに手を出すのですがそれはまた別の機会に…

 

 

そういう現場を沢山見て来たから敢えていいますが…

 

 

 

特にジュニア・ユース・キッズの未成年の選手は

頭部を打ったら絶対に無理はしないで下さい。

 

 

 

脳へのダメージは蓄積されます!

脳震盪は本当に癖になるそうです!!

 

 

 

練習をやりたい、自転車に乗りたいということもあるでしょう

でも、本当に日常の普通の生活にも支障が出るケースを沢山見ています。

 

 

とにかく、自転車に乗って良いかどうか?は

お医者さんと本当に良く相談してください。

お医者さんが自転車に乗って良いよ!と言うまでは

絶対に自転車に乗らないこと!激しい運動も避けること。

 

 

それを徹底して下さい。

 

 

保護者・指導者の皆さんにもお願いします。

頭部へのダメージは今さら説明することも無いと思いますが頭部へ

ダメージを受けた場合はたとえ軽度のダメージであっても

お子さんの様子を暫くはしっかり観察して、吐き気などが無いか?

目の焦点などがあっているか?呂律がまわっているか?

顔色が悪くないか?何時もと違う言動をしていないか?を観察してください。 

 

 

そして、軽度のダメージであっても幼少の頃は特に!

必ず病院で検査をうけるようにして下さい。

 

 

もう本当に、ドーピングもそうだし

うした脳のダメージや怪我や諸々…

スポーツの本当に残酷な部分を嫌というほど見てきたので

今日は書かずにはいられませんでした。

 

 

という訳で今日は緊急のお知らせでした!

 

 

あと学術的なことを知りたい方は

各自しっかりと各種論文を調べて下さい!

 

 

〔後記〕
 こういうことを書くのもどうかと思うんですが
海外にいてプロスポーツ界・プロ予備軍を見て来て
本当に思うんですが、若くして「州」や「国」の顔となり
巨万の富を手にした人間ほど、果たしてその選手生活は
幸せだったのだろうか?と思うことが多いんですよね。

まぁ…日本のプロスポーツと海外のプロスポーツってのも
正直、稼ぐ金額から違うし、やはり日本のプロスポーツ選手って
言っても日本国内限定じゃないですか?

英語圏だと本当に英語の解る国々の中まで
ゴシップなどは広がってしまう…
しかも海外のパパラッチってのも昔は本当にエゲツなく
本当に「全く違うもう一人の人間像」を作ってしまっていた。
そうなると、純粋な子ほど、そのメディアが作った
イメージの人格に寄って行ってしまう。

改めて思うのは、プロスポーツ選手ってのは
果たして本当に幸せなのだろうか?

それは本人次第なのは解ってはいるが…

自分が見て来た限り、その道は殆どが壮絶だということ。

この辺りは、また何時か改めて
時間を割いて書く日が… それは
もしかすると、このサイトにおいては
来ないほうがいいのかな?

 

関連LINK

日本スポーツ協会

国立スポーツ科学センター



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