《重要なお知らせ》インカレ・ロードレースで起きた深刻な集団落車事故と安全走行に関するお願い。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

《重要なお知らせ》インカレ・ロードレースにおける落車事故について。

 

 2022年9月5日㈪、本日非常に残念なニュースが早朝より飛び込んで来ました。

既に多くの方がご存じの通り、昨日9月4日に開催された

第77回全日本大学対抗選手権自転車競技大会ロードレースの

レース中に少なくとも13名の選手が絡む集団落車が発生。

このうち1名が意識不明の重体となりドクターヘリで救急搬送されるという

非常にショッキングな報道がなされました。

 

そして、今朝の報道によると

その重症を負った選手が、同日深夜

懸命の措置にも関わらず死亡が確認されたことが伝えられ

本日の午前中に、日本学生自転車競技連盟からも

正式な発表がありました。

 

 

正直いま、自転車に携わる者の一人として

ここに何を書いていいのか言葉が見つかりません。

ただただ無念で痛恨の極みです。 

 

それでも、長野県はこの週末もサイクリングイベントが

催されており、9月も数多くの大会が予定されています。

そうした中で、改めて県内外のサイクリストの皆さんが

明日も安全に自転車に乗れるように… 

改めていま思っている「安全に対する想い」を

書きたいと思います。

 

 

 

2022年の重篤事故の傾向と緊急提言

 

 昨日のインカレレースですが、所々しかYoutubeで

見ていなかったので、集団落車がどのようなメカニズムで起こったか?

詳しくは解りません。この事故の全容や詳細は今後、検証が勧められて

行くと思うのでそれを待ちたいと思います。

 

 

ただし、報道で事故現場を見る限りですが…

 

 

6月の長野県美鈴湖自転車学校で

今年のスポーツ自転車の重篤事故の傾向と対策を

お話した「2件のケース」と非常に酷似している

ロケーションなので、あらためてお知らせをしたいと思います。

春の「TOJでの落車事故」「九州の自転車競技部での事故」に加え
「今回の落車事故」は以下の条件が酷似しています。

 

 

①比較的緩やかな下り坂
②左側へ大きく曲がるスピードコーナー

 

 

この三つのケースの直接的な因果関係というのは解りませんが

この二つの要因が今年の「重篤落車」の大きな傾向であることは

プロアマ・競技を問わず、全てのサイクリストの皆さんに共有してもらいたいと思います。

 

 

 

《5月に発生した事故に関する記事》

 

 

 

特にこの週末、初開催される大規模サイクリングイベントである

「第1回志賀高原ヒルクライム」は、まさにこのスチュエーションが多発します。

少なくとも「TOJ南信州ステージ」と「九州での高校生の事象」に関しては

高い確率でオーバースピードが落車の原因と考えられます。

 

 

また「TOJ南信州ステージ」での救急搬送のケースは

ハイスピードコーナー出口付近で落車転倒した選手が

転倒したままスピードが止まらず

選手・自転車ごと、ガードレールの下を潜りこみ

そのまま崖下へ転落するという

一歩間違えれば観客をも巻き込む大惨事となるケースでした。

 

 

週末の志賀高原ヒルクライムの場合、ガードレールの下が10m以上の

断崖というところも多数存在します。

改めて、下りハイスピードコーナーでの速度に注意してください

 

 

改めてのお願いになりますが、

安全をマネージメントすることも重要な技術の一つである。

このことを、速く走ることよりも

先ず心がけて下さい。

 

 

これは、普段コンビニへ「ちょい乗り」で行く時なども同様です。

安全は全てにおいて優先する!

そして、必ず路上には自分以外の他者もいること。

車・歩行者・自転車仲間への配慮も忘れないで下さい。

 

 

 

学連・主催者へのお願い

 

 今回ですが、本当に不幸な事故が起きてしまいました。

自転車競技の特性上、どうしても避けられない部分もあることは重々承知の上

学連・主催者へのお願いですが、様々な条件もありますが

今回の事故がどうして起こったのか?そのメカニズムを検証して欲しいと思います。

そして、出来得る範囲で情報を公開してもらい自転車界全体でそれを共有し

二度と不幸な事故が起きることの無いように

自転車レースの安全性の向上に生かしてもらいたいと思います。

 

また、今大会は来年開催の「かごしま国体」の

プレ大会としての側面もありました。主催者の方々には

コース内の危険な箇所や悪天候時の状況も含めて

再度、安全に関して見直してもらえればと切に願います。

 

※今大会、学連は8月19日の段階で
 現地コースで練習していたチームが落車事故を起こしたことで
 安全に対する注意喚起を各チームにしています。今回の事故現場以外にも
 危険な箇所は無いか?などを見直し安全なレース運営をお願いしたいと思います。

 

 

 

長野県のサイクリスト・選手の皆さんへ

 

 今回のインカレでの事故を踏まえて

改めて長野県の自転車に乗る全ての皆さんへ

レースやトレーニングに留まらず、日常の自転車生活における

安全に対する確認をお願いします。

 

 ・自分の自転車に不具合が無いか?(ブレーキやネジが締まっているか?)

 ・ヘルメット・グローブなど防具をしっかりと着用しているか?

 ・スピードを出し過ぎていないか?

 ・交通ルールを順守しているか?

 ・道の上の他者への配慮を欠いていないか?

 ・自転車に乗る際に、天候や気象条件をしっかりと考慮しているか?

 ・自分の技量や体力を過信していないか?

 

もう一度、見直して下さい。長野県では5月に松本市で

自転車に乗った高校生が亡くなる死亡事故が発生しています。

一昨年の千曲市で起きたロードバイクに乗った高校生の

死亡事故も決して忘れてはいけない事象です。

 

自転車は、どう気を付けていても

事故に巻き込まれてしまうことがあります。

それでも、再度のお願いになりますが

安全をマネージメントすること

リスクを極力回避することも重要な技術であること

忘れずに日々の自転車生活を送って頂ければと思います。

 

 

 

《長野県の自転車事故の統計》

 

 

 

さて、2018年以来

自転車学校も始まって

小学生から壮年のサイクリストを

預かる立場になって思うのは、

重篤な事故があったとして

それを今までのように素通り出来ない

立場になっています。

 

県内のサイクリストの方からも

どうして事故は起こったのか?

そうした問合せも既に来ています。

 

6月の熊本での事故もそうだったのですが

自転車競技という特性上

どうしても落車・事故を

ゼロには出来ない部分があります。

 

今回の事故に関しても

まだ解らないことだらけで

検証はこれからです。

 

それでも、こうした不幸な事故から

目を背けず、再び事故を起こさないように

努めて行くことが

少なくとも自転車情報を発信して行く

当サイトの責務だと思っています。

 

最後に、今大会で不幸にも逝去された

塩谷真一朗選手のご冥福をお祈りすると共に

心より哀悼の意を表したいと思います。

 

※今回ヤフーでも一面で取り上げられたためヤフーのコメント欄に様々なコメントがあげられているのを見ました。
 本当に様々な意見があるかと思います。
ただ一つ、それでも日本国内で明日からも様々な
 競技大会・サイクリングイベントが予定されており、
今日も多くの人が自転車に乗っています。
 様々な意見があっても、それらすべてが未来へ向けたモノであることを望みたいと思います。

 

 

関連LINK

令和2年度「交通統計」(長野県警察)

自転車の安全利用推進委員会

長野県警察

長野県