〔ニュース〕堀江省吾(信州大学出)が日本競輪学校第119回生徒入学試験に合格。

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〔ニュース〕堀江省吾(信州大学出)が日本競輪学校第119回生徒入学試験に合格。

 

 日本競輪選手養成所(旧:日本競輪学校)は、昨年末に第119回選手候補生入所試験を行い合格者を発表した。長野県からは堀江省吾(イナーメ信濃山形:信州大学院)が合格。現在、競輪界でゴールデンルーキーとして活躍する菊池岳仁に続き、長野県から二年連続の合格者となった。今後は、2020年5月14日より養成所に入所し1年後の競輪デビューを目指すこととなる。詳しくは以下の通り…

日本競輪選手養成所第119回選手候補生入所試験合格者名簿(PDF:JKA公式HPより)

 

 

堀江省吾(イナーメ信濃山形/信州大学院)

 

 

 

 堀江 省吾(イナーメ信濃山形/信州大学院)

  高校時代はバドミントン部に在籍し、大学から自転車競技を始める。
 その誰からも愛されるキャラクターで信州大学自転車競技部の顔として
 大学自転車界で活躍。一昨年の福井国体ではケイリンに出場し5位入賞。
 現在、競輪界で活躍する菊池岳仁と共に長野県に久しぶりの入賞を
 もたらした。

 昨年は、競輪学校を受験するも残念ながら不合格。
 この一年は、不退転の決意で合格を目指しての
 念願の合格となった。

 観る者の心を熱くするお馴染みの「堀江劇場」が
 プロの競輪の世界でも見られるか?活躍に期待したい。

 

 

 

《堀江選手2019年の主な記録》

明治神宮外苑クリテリウム2019 2部A組(12㎞) 第9位
2019年 長野県大会 200mフライングタイムトライアル 優 勝
1㎞タイムトライアル 優 勝
4㎞個人追抜き 優 勝
スクラッチ〔8㎞〕 優 勝
男子ポイントレース 第3位
第50回 JBCF 東日本トラック 1㎞タイムトライアル 第5位
男子ケイリン 優 勝
第72回山梨県体育祭り 200mタイムトライアル 第4位
1㎞タイムトライアル 第6位
いばらき国体 1㎞タイムトライアル 第11位
信州シクロクロス南信州ラウンド カテゴリー4(4部) 第10位
東海シクロクロス愛知牧場ラウンド カテゴリー4(4部) 第3位(3部昇格)

 

 

2019年2月の外苑クリテでは、4年生として最後のロードレースを走った。

 

春からは信州大学院に籍を置きながらイナーメ信濃山形に所属し競輪学校を目指す。

 

昨年の長野県大会では長短合わせ4冠を達成し後輩達に祝福される。

 

地元美鈴湖開催の東日本実業団選手権ではケイリンで優勝を果たした。

 

競輪学校一次試験を控える中でも長野県代表として国体を走った。

 

 

 

競輪界でも「堀江劇場」を…

 

 堀江選手と言えば、御馴染みの「堀江劇場」。

どの大会でも、予選や1回戦であっさりと敗退。

そして、敗者復活戦を1着ないし2着で勝ち上がり

観る者に「おぉ!これは!!」と思わせると

次戦は、手も足も出ずに敗退… 

 

元々ポテンシャルは高い選手なので

当初「堀江劇場」と云う言葉は

関係者にとっては

苛立ちと、失望を表す言葉だった。

 

2018東日本学生選手権初日

 

 

 

 

 

 

しかし、一昨年の大学4年生になってから

状況は少しずつ変わって行く。

 

あいかわらずの、あっさり1回戦敗退からの

敗者復活戦を激勝!は続いたが、

少しずつ決勝に残るようになってくる。

しかも、自分の戦い方はこうである!と云う

明確な意思が伝わってくる走りを見せ始めた。

このスタイルが、徐々に観る人の心を掴んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

そんな「堀江劇場」が、全国大会で炸裂し

会場を沸かせたのが、2018年の福井国体ケイリンだった。

 

長野県短距離のエースとして臨んだ

堀江に対して、「何かをやってくれる!」と

長野県自転車関係者の期待は非常に大きかった。

 

 

そして…

 

 

迎えた ケイリン1回戦…

 

 

堀江は、周囲の期待とは裏腹に

6人中5位とあっさり1回戦負け。

 

もう… 言葉が出ない… 

国体で貴様は何やってんだ!

 

と、通常ならば思うところだが

「堀江劇場」を知る人間はオッケー!オッケー!!

何時ものこと!

 

 

そして、案の定ここから国体で

壮大な「堀江劇場」が開演する。

 

 

迎えた敗者復活戦を豪快に1着で勝ち上がると

二回戦を3位と、粘りの走りで通過し、準決勝進出。

 

迎えた準決勝。

 

メンバーは、菊池岳仁と共に今をトキメク

競輪界のゴールデンルーキー寺崎浩平を筆頭とした

強豪選手がひしめく組での出走となった。

 

 

流石に、堀江もここまでか… 

 

 

地元福井のエース寺崎浩平の登場に

スタンドに詰めかけた観客による

寺崎の大歓声の中でレースは開始される。

 

強豪同士が牽制をし合う緊張感が漂うレースの中

残り1周に差し掛かる所で、堀江がその間隙を突き

自分のスタイルである「逃げ」を見せる

あまりに早い仕掛けであった為に、集団の反応が

遅れ気味になる中で、堀江は逃げに逃げる!

 

会場が、大きくどよめく中で

堀江はみるみる後続を引き離し

後続も予選通過争いに集中…

 

 

 

 

 

 

 

 

最終コーナーをまわる、堀江を

会場の大歓声が迎えた。

 

準決勝1着!(決勝進出・入賞決定!!)

 

長野県チームも、堀江の見事な勝利に

宮崎監督はじめ、選手達が走路に

踊り出て、秋の西日に照らされた

堀江を迎えていた…

 

 

 

翌日。

 

 

会場は、地元福井の大声援と

前日の堀江の激勝を再び期待する

声援とに二分された。

 

決勝戦。

 

何時もは緊張と云うより、半ば悲壮感漂う

堀江の表情が、非常に明るく

リラックスしていたのがとても印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

レース開始

 

先頭誘導員が退避すると

堀江は自身のスタイルである

「逃げ」を打った。

 

しかし、準決勝の鮮やかな勝ち上がりを

知っている、集団もそれを警戒して

堀江を簡単には逃がしてくれない。

 

堀江は、自分のスタイルと

出来ることを決勝で全て出し切った。

 

優勝は、地元の大歓声に応えた寺崎浩平。

この年、福井は成年・少年・女子と

全ての短距離種目を圧倒的な力で独占した。

 

今となってみれば、この年の福井を

唯一止めたのが、準決勝での堀江省吾だった。

 

 

福井国体ケイリン決勝5位。

 

前日の菊池岳仁の「少年1㎞タイムトライアル」4位に

続いての5位入賞。一年前の愛媛国体では

県勢は、入賞に全く手が届かなかった。

 

そんな長野県に、久しぶりの

入賞をもたらしてくれる堂々たるものだった。

 

レース後、自転車を降りると

おもむろにスタスタと一人、テントの裏側へ

そこで一人、目頭を押さえて

空を仰いだ姿が今でも印象に残っている…

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は、堀江選手の不甲斐なさを

表していた「堀江劇場」。

しかし、福井国体で見せた

「堀江劇場」は多くの人々の琴線に触れて

長く観た者の記憶に残るものとなった…

 

今後プロの世界でも、多くの人々に愛され

勝敗を越えて多くのファンの心に

残るレースをしてくれるものと期待している。

 

堀江劇場。

 

次の舞台はプロの競輪の世界で…

 

 

 

 

サイクリング長野より…

 

 堀江選手は、信州大学時代に

このサイクリング長野のホームタウンである

上田市のキャンパスに通っていた関係で

たまに車を運転していると、土手で

練習している姿をよく見かけたりしていました。

 

昨年、競輪学校を不合格になった時に

関係者が「そこは堀江劇場いらねーから!」と

口々に言ってましたが…

 

堀江選手は、一言で云えば努力の人だと思います。

昨年は、美鈴湖自転車学校の設立などで

何度も美鈴湖競技場に行きましたが、

何時も堀江選手が黙々と練習している姿が

とても印象的でした。

 

多くの大学選手達、関係者に愛されるのは

堀江選手の明るく・真面目で実直なキャラクターと

負けても、そこから泥臭く這い上がってくる姿に

多くの共感を感じるからだと思います。

 

自分も国内外で様々なプロ・アマスポーツに携わり

多くのプロ選手を見てきましたが、恐らく

堀江選手はプロ向きの選手だと思います。

 

プロである以上、強いことは当たり前で

それでは、プロとして不十分と云うか普通です!

大切なのは、プロである以上、

応援してくれるファンやサポーターに愛されること。

プロ選手の中で一番人気のある選手は一流選手と呼ばれます。

加えて、後進に尊敬され、目標とされる選手であれば

プロとしては超一流です。そして、そうなれる才能を

堀江選手は、ここ数年の長野県の選手の中で

最も持っている選手だと感じています。

 

既に、長野県のサイクリストの皆さんには

お馴染みの堀江選手ですが、引き続き

応援をして頂ければと思います。

 

サイクリング長野のHPを始めての国体、一昨年のこのサイトの主役は堀江選手だった。

 

 

11月、競輪学校一次試験の合格発表の朝

合格発表をドキドキしながら見たら

全部「番号」で誰が合格したのか解らず

翌週、飯山クロスでコース設営の仕事をしていた

堀江選手本人に恐る恐る

「合格した?」と聞いたのも

今となっては良い思い出です。

1月最終試験合格者に名前があった時

受験と云うものに縁が無かった自分には

「受験生ってのはこんな想いをするのか?」と

とても新鮮だったのを覚えています。

長野県のライダーの皆さんには、引き続き

堀江選手を温かく応援して頂ければと思います。

そして、堀江選手には今後の活躍を期待しています。

 

 

関連LINK

信州大学自転車競技部

KEIRIN.JP