〔報告〕美鈴湖自転車学校番外編「初めてのピスト講座 -女子中学生限定-」をテスト開催致しました。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

 

「初めてのピスト講座 -女子中学生限定-」をテスト開催致しました。

 

 昨日2021年9月25日(土)美鈴湖自転車競技場で

女子中学生を対象とした美鈴湖自転車学校番外編

「初めてのピスト講座-女子中学生編-」を

テスト開催致しましたのでご報告いたします。

 

新型コロナウイルスなどの影響で

ここ三か月連続して美鈴湖自転車学校が開催出来ないなか

10月から何とか規模を縮小して

「コース別・短時間」での密にならない開催が出来ないか?

より良い開催方法を模索する中で

春先から「初めてのピスト講座」を希望していた

3名の女子中学生を対象に、小規模・短時間な

自転車学校が出来ないか?テストを兼ねて

参加者・講師合わせて5名でのテスト開催となりました。

詳しくは下記の通り…

 

 

 

初めてのピスト講座 -女子中学生限定-

 

 

 

 講習内容&プログレス

 ・ピスト自転車の構造上の仕組み
  ロードバイクとの違い
 ・ピスト自転車の乗り出し方
 ・ピスト自転車の止まり方・降り方
 ・ピスト自転車で平らなところを走ってみよう
 ・競技場内のトラックエリアを走ってみよう
  赤バン(平坦退避エリア走行)
 ・競技場内の角度があるところを走ってみよう
  ブルーバンド走行練習
  スプリンターレーン走行練習

 

 

長野県代表の北澤竜太郎主将(日本スポーツ協会公認自転車コーチ)が
先ずはピスト自転車の仕組みから、乗車・降車方法を指導し
インフィールドの平坦を利用して約1時間ほど指導し
競技場内の角度の無いところから徐々に走る。

 

今年から中学1年となった山田琥珀さんをエスコートするのは
長野県内唯一の女子高校自転車選手の平山なつみ選手(松本工高)
普段、男子部員としか走る機会が無いので中学生の女の子達を
指導することは貴重な体験となったことと思う。

 

同じく今年から中学1年生になった綱嶋凛々音さん(ボンシャンスキッズ)を
エスコートする元長野県代表
の榊山来実

 

 

〔レポート〕

 今回、春先から「ピスト競技挑戦を希望していた長野県内の女子中学生3名」という、かなり狭い範囲に参加者を絞って来月(10月)から開催を予定する『美鈴湖・ミニ・自転車学校』のテストを兼ねて開催を行いました。条件も…

 ・講師午前中のみの2~3時間程度
 ・講師と受講者合わせて5名前後

という、特に密集を回避して感染予防を保つことに留意して開催を致しました

講座は最初に「ピスト自転車の基本的な構造の説明」・「乗車や降車」を行い、日本スポーツ協会公認コーチで長野県代表チームの北澤竜太郎主将(イナーメ信濃山形)が担当。その後、実走指導は美鈴湖自転車学校としては初となる女性臨時講師として、2019年の長野県代表で現在は松本大学自転車競技部の榊山来実さんと、現役女子高校生自転車選手の平山なつみ選手(松本工2年)にアシスタント講師をお願いしました。

参加した女子中学生2名は、既に美鈴湖自転車学校の「JCF基礎スキル講座」を受講しており、今回は実際にピスト自転車に乗車するところから講習を行いました。参加者は前筆した2名の「お姉さん指導者」と共に平坦な所から少しずつ競技場を走行し、無事にスプリンターレーンを走れるようになりました。

講習後に参加した2名の受講生と保護者の皆さんからは、初めてのピスト自転車挑戦を、年齢が近いお姉さん達と一緒に走れたことは凄くリラックスして望めたと好評で、女子指導者の2名にとっても後輩を指導することは非常に良い体験だったと報告を受けました。

今後も今回の受講生と、若手の女子指導者を起用して、中学生に関しては秋の記録会・来春の松本トラック等の出場を目指すと共に、来夏のジュニアオリンピック出場を目指すことが出来ればと思っています。また今後は、競技を目指さない女性層にも門戸を広げながら、今後も引き続き、女子小中学生・女子選手・女性サイクリスト・女子指導者の育成に力を入れて行きたいと思います。

 

 

初めてのピスト講座の課題

 

〔女子自転車に関する厳しい現実〕

 ここ数年、世間では「自転車が大ブーム」らしいのですが

我々自転車界の現場では、全くそれを実感していないのが実情です。

 

よく自転車パーツの国内最大手企業の株価が

過去最高の時価総額をつけて

それを根拠に自転車ブームという人もいますが

おそらく投資に精通している人であれば、

 

必ずしも株価(数値)と実体経済は比例しない!という例えで

今の世界の自転車界がどういう状況なのか?

本質が解り易くご理解いただけると思います。

 

 

何度もお話をしていますが

現在の長野県女子自転車界の状況は…

 

 

 

 ・長野県の女子高校選手はこの5年間で4名

 ・長野県登録のガールズ競輪選手は1名

 ・長野県女子大学生選手(学連登録選手)1名

 ・長野県MTB選手も女子選手もエリートは2名(女子高校生は0名)

 

 

 

依然として非常に厳しい状況が続いています。

そうした中、今年のJr.オリンピック・トラック競技の

女子U-15(中学生女子)のエントリーは全国で僅か1名までに

減ってしまい、MTBの全日本選手権女子高校生(女子Jr.)

カテゴリー同様に、もはや「絶滅危惧種」では無く

絶滅が現実となってきました。

 

そうした中で、如何に小中学生の自転車をやってみたい

子供達を受け入れて普及して行くか?は

ここ数年の長野県自転車界の課題でもありました。

 

 

長野県唯一の女子高校自転車選手の平山なつみ選手(松本工)
県のMTB女子小中学生選手で把握している選手は約50名程度と多いのだが
これが高校生になるとほぼゼロになる。
一方でトラック競技をやっている女子中学生は今までゼロだが
インターハイがあるので、1年に1名程度が競技を始める。
どちらにしても、高校生で自転車を選択する女子選手は少ない。

 

 

〔女子小中学生が乗れる自転車が無い!〕

 今回はトラック競技の話しに特化しますが、美鈴湖自転車学校では

開設当初から女子小学生・中学生のトラック講習会を行いたい!との

リクエストをもらっていましたが、開催までなかなか難しかった理由の一つに

女子小中学生用の小さいサイズのピストバイクと云うモノのが存在しなかったこと。

これが非常に大きかったです。

 

 

特に小学生用のピストバイク(トラックレーサー)に関しては

長野県自転車関係者で手分けして探したのですが見つからず

自分も海外の自転車競技連盟などにも問い合わせてみたのですが

市販のモノはほぼ存在せず、多くがお父さん達がDIYで改造したものでした。

※存在しない理由というのも様々あって面白かったのですが
 つまるところ、子供用のスポーツ自転車ってロード・トラック・MTBともに売れ無いんですよね…

 

そんな中で、美鈴湖自転車学校では 

長野県競輪選手会愛好会の所有の

体験用のXXSのピスト自転車をお借りして

今回初の開催が出来ることになりました。

 

今回は限定条件での初開催となったが、今後もピスト自転車に乗ってみたい
一般の女性サイクリスト、中高生の体験会などの受入れを積極的に行って
行くと共に、女性の自転車指導者の育成も必要だと感じた。

 

 

〔今回得た新たなる課題〕

 今回実際にお借りしたXXSサイズのピスト自転車ですが

実際に中学1年生のお二人に乗ってもらったところ、

フレームのサイズはギリギリでした。

※小学生にピストをやらせるか?は
 別として、やはり小学生が乗るには大きい。

 

また、あくまでも大人が乗ることを想定しているため

市販品としての純正装備では特にハンドルまでの距離が遠く

ハンドルが大きい過ぎ、ここに工夫が必要でした

 

市販品ではハンドル周りのサイズが遠かったり・大きすぎたり・高すぎたり…
改めての調整の必要性を感じた。それでも自転車学校で基礎技術を
しっかり習得している山田さんは初めてでも非常に上手に自転車に乗っていた。

 

練習の合間に、ハンドルを小さいものに付け替え・ステムも調整した。
ハンドルが変わって綱嶋さんは「力が入るようになった」と感想を述べてくれた。
練習終了後に、今後を見据えてハンドル周りのパーツを
競輪選手会の小峰コーチ・長野県の宮崎監督などが調整し
今後も新たな女子受講者・女子中学生などの参加者を受け入れる。

 

 

 

〔今後の女性サイクリスト獲得の課題〕

 このように、競技を問わず、女子サイクリスト・女子競技者を

獲得して行くことは「女性が気軽に乗ることが出来る環境が少なく」、

「女性用の機材も少ない」非常に厳しい状況です。

 

そうした中で現在の長野県では、小布施のサイクルカフェmaaruさんが

競技を目指さない一般の女性サイクリストの方への

気軽なスポーツバイク体験会など

県内における「女性向け普及」を一手に行ってくれています。

 

maaruさんの女性サイクリスト応援キャンペーン
クリックすると詳細に飛びます。

 

 

 

また、長野県教育委員会も小学生を対象とした

競技人材発掘プログラム

「NAGANOスポーツ☆キラキラっ子育成プロジェクト」

開始して、新たなるタレント発掘を開始致しました。

 

 

 

 

今後、自転車学校では、すこしずつ女性のための自転車講座などを

増やして行くと共に、現在長野県内に殆どいない女性の自転車指導者や

女性の審判員・競技役員を始めとした、女性リーダーたちの

育成も行って行ければと思います。

 

 

 

という訳で、ここの所

緊急事態宣言後の大会に関して

色々と多忙で、土曜日にテスト開催した

女子中学生向け初めてのピスト講座の

レポートが遅くなってしまいました。

 

例えばいま、小中学生の女の子が

自転車をやってみたい!と声を

あげてくれた時に、なかなかそれに

対応出来ないのが長野県の現状です。

それは、競技にとどまらず

女性サイクリストへの普及も同様です。

そんな中で今回のミニ講習会を

催せたことは小さい一歩ながらも

その意義は大きく、今後もこうした

動きを少しずつ広げて行きたいと思います。

 

 

 

関連LINK

長野県自転車競技連盟

サイクルカフェ・宿 maaru

Velenyo

安曇観光タクシー

サイクルカフェピラータ

キャンバス

松本市