〔特集〕「信州自転車界コロナの後で…」第2回 延期となった大会が集中する?ー2020年秋問題ー

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

「信州自転車界コロナの後で…」第2回 延期となった大会が集中する?ー2020年秋問題ー

 

「信州自転車界コロナの後で…」第2回は

今回はコロナ禍がもたらす「2020年信州自転車界秋問題」を

取り上げたいと思います。

 

先日、コロナウイルスの緊急事態宣言がいよいよ

全国的に解除されました。それに伴い、7月以降の大会や

イベントの開催開催が、少し現実的なものとなってきました。

 

現状では、通常開催が行えるようになるのは

全てが順調に行ったとして夏以降と予想していますが、

9月以降に順延になっている大会・イベントは非常に多く

秋シーズンに開催が殺到する大会を

長野県はどう消化して行くか?に迫りたいと思います。

今回のレポートは、今後のコロナ問題が全て順調に進んだ場合を前提として話をすすめます。

 

 

 

 

サイクリングイベントにおける「2020秋問題」

 

 

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 3月から開催が予定されていた、サイクリングイベントに関しては

ご存知の通り、8月までの大会がほぼ全て中止となっています。

 

 

現在、8月末までに開催を明言しているのが

8月最終週末に行われる恒例の「Mt.乗鞍(乗鞍ヒルクライム)」ですが

乗鞍も含めて、全てのイベントで今後の状況を注視する必要があります。

尚、9月以降のサイクリングイベントに関しては以下の通りです。

(2020年5月28日現在)

 

 

9月以降に県内で開催予定のサイクリングイベント

日時 大会名 開催地 備考
9月13日(日) 第5回ツールド望月 佐久市望月 エントリー前
9月26日(土) 秋の南信州マロンライド 飯島町 募集中
9月26日・27日 白樺湖オフロードサイクルフェスタ 茅野市 エントリー前
9月27日(日) 苗場山麓ジオサイクリング 栄村(津南町) 募集中
10月3日・4日 SDAクロスマウンテンバイク【9月】 王滝村 エントリー前
10月10日・11日 第30回シマノバイカーズ 富士見町 募集延期
10月18日(日) 【紅葉】北アルプスサイクリングツアー 松本市 募集中

 

今季の開催中止が決定しているイベント

開催日 イベント名 備考
8月開催予定 第25回AKI GREEN CUP 中止決定
9月開催予定 第11回信越自然郷五高原ロングライド 土砂崩落による中止決定
秋開催予定 信州なかがわ村陣馬形山ヒルクライム 中止決定

 

 

今後も長野県内のサイクリングイベントに参加を予定されている方は

遂次、各イベントの公式ホームページより最新の情報をご確認下さい。

 

 

 

 

より深刻な県開催公式戦「2020秋問題」について。

 

 

 今回の「2020年秋問題」で最も深刻なものが

コロナウイル禍で順延となっている県内開催の

「主要公式戦」についてです。

 

今年は東京オリ・パラの影響で

7月~9月中旬までの期間に主要大会が

出来なくなってしまった関係で

9月以降に、多くの国内主要大会が集中していました。

そこへ、今回のコロナ禍による延期となった大会が直撃。

長野県内だけで無く、日本国内、世界規模での

スケジューリングの混乱が予想されています。

 

特に、マウンテンバイクは、オリパラの影響で

通常7月開催だった全日本選手権を10月まで

繰り下げての異例の開催を予定していたが、

今回のコロナ禍の影響で、世界戦の日程が変更され

全日本選手権とバッティング。

UCIの規定上「世界戦」と「国内選手権」の

同日開催は出来ないため、日本選手権の日程が

再度、移動となる可能性が非常に高い状況です。

 

 

 

 ショートコラム「日程変更がもたらす開催地への影響」

  大会の日程変更は、大会を受け入れ地域にも

 非常に大きな影響を及ぼす。

 数年前のTOJ美濃ステージが、長良川の鮎の解禁日と

 重なった為に地元から開催日変更の声があがり、

 いなべステージの日程と入れ替わったことがあった。

 この際に、自分も長野県から競技役員として派遣されていて

 地元の役員の方、ボランティアの方々と話す機会を得たが

 地元にとって鮎の解禁日は年に1度の一大イベントであり

 その地域の方々が大切にしている日と云うものが存在することを

 改めて知る機会となった。

 

 昨年の台風19号で、上山田クロスが中止になった際に

 代替地を探した訳だが、長野県にしても、秋の収穫期や

 地域のお祭り、スキー場のオープン準備など、

 その地域が持つ、特有の兼ね合いもあるなかで

 (開催に際しては)何より地元の意向も尊重しつつ

 我々自転車界の理屈だけがまかり通る訳では無い

 ということを改めて考えたい。

TOJ美濃ステージの際に名所となる長良川
観客の皆さんからも、鮎の解禁日が地元にとって
一大イベントであることを教えて頂いた。

 

 

 

 

 

延期となった公式戦をどこに組み込むか?

 

 

長野県内自転車イベントカレンダー

 

 

赤色:イベント募集開始/募集〆切
紫色:県内公式自転車競技大会 
黄色:県内サイクリングイベント
緑色:主要全国競技大会
水色:主要世界大会
茶色:講習会/その他

 

・順延となっている大会をどこへ組み込むか?

 非常に難しいのが、海外・国内のカレンダーと折り合いをつけ

何時・何処に延期が決定している大会を組み込んで行くのか?

一体全国でどれだけの大会が「順延」にになっているか

完全に把握出来てはいないが長野県内の場合は…

 

9月 主な県内大会 備考
第1週目 インカレロードレース(大町美麻村)予定 学連琵琶湖クリテ
第2週目 困難? 日本マスターズ(愛媛県)
第55回全国都道府県大会(三重県)
第3週目 なし 世界選手権ロード(スイス)・学連袋井
第4週目 なし 世界選手権ロード(スイス)

 9月は、第1週がインカレ第2週が都道府県大会と云うことで
9月上旬に開催を行うことは不可能、一方で「世界戦」「他国内大会」を
気にしなければ、
第3週目・4週目に関しては長野県開催は可能。

 

10月 主な県内大会 備考
第1週目 ※県強化合宿(美鈴湖自転車競技場)  
第2週目 困難? かごしま国体
MTB世界選手権

※全日本MTB選手権(秋田・田沢湖)
第3週目 なし ジャパンカップ(栃木)
第4週目 松本市民祭・県高校新人戦(美鈴湖自転車競技場) 学連新人戦(境川)

 10月で気を付けるべき点は、未だカレンダーが発表されていない
信州クロスの日程が挙げられる。第2週目は国体が開催されるため
実質的に開催が不可能、4週目が県高校新人戦が予定されているため
これも開催は不可能な可能性が高い。
《重要》MTBの全日本は、世界戦と日程が重なったため変更へ…
※仮に信州クロスとバッティングすると審判員・競技役員が足りなくなる可能性がある。

 

11月 主な県内大会 備考
第1週目 県高校新人戦ロード(生坂村)  
第2週目 なし  
第3週目 Rapha Super Cross 野辺山  
第4週目 なし  
第5週目 全日本シクロクロス選手権(飯山)  

 11月は、1週目が高校新人戦ロード3週目は野辺山5週目が全日本シクロ
長野県内で主要大会が目白押しとなります。そうした事前準備などを考えると

 

12月 主な県内大会 備考
第1週目 信州クロス上山田??  
第2週目    
第3週目 信州クロス南信州??  
第4週目    

 12月に関しては、11月末で美鈴湖自転車競技場が冬季休業となるため
トラック競技開催には、長野車連・松本市との協議が必要だと思われる。
また、例年であれば第1周に上山田クロス第3週に南信州クロス
ラインナップされる。

 

 

 延期が決定している大会

  ・菜の花飯山サイクルロードレース(大学生/一般参加:学連主催) ※4月開催
  ・第1回霊峰おんたけTT&ヒルクライム(大学生/一般参加:学連主催)※6月開催
  ・第4回全日本学生オムニアム選手権(大学生:学連主催)※7月開催
  ・第15回白馬クリテリウム(大学生/OP参加可:学連主催)※7月開催

 

 

 

 

・学連大会開催可能な日程について

 9月からの問題として、県内で開催される主要な大会のほぼ全てが

大学生連盟である日本学生自転車競技連盟(学連)のものであることが解る。

一見、長野県の9月以降のカレンダーを見ると「空いている」ように見えるのだが

学連大会が長野県内で大会を開催出来るチャンスは…

 

 ・9月3週目・4週目(シルバーウィーク)
 ・10月1週目・3週目
 ・11月2週目・4週目

 

以上が予想されます。そこに秋の収穫期が重なってきます。

特に「飯山」・「白馬」は、田園地帯の中に会場があります。

この日程の中で、そこに折り合いをつけて大会を行うには

多くの方の御理解や、ご尽力に加えて

地元の皆さんへのご負担をお願いしなければなりません。

特に学連の方・学生の選手の皆さんには、こうした状況を

良く理解しておいて欲しいと思います。

 

白馬クリテリウムはまさに田園地帯の中で行われる。
地元の理解無くして秋の開催はあり得ない。

 

 

 

美鈴湖自転車学校・ベロクラブ・県強化合宿への影響は?

 

 

 ここ数日のサイクリング長野のアクセス数を見ていると

再び、自転車学校のインフォメーションを調べている方が

多くなって来ました。6月の開催については

6月末週の開催を設定、5月31日の長野県のステートメントを待って

6月1週目の早い段階で可否を決定するとお伝え致しておりますが

7月以降の開催については、こうした状況ですので

これら他の大会との兼ね合いを見極めながら

今後の動向が発表されると思いますので、もう暫くお待ちください。

恐らく、ベロクラブ・代表強化合宿についても同様となりますので

長野県車連からの公式発表をお待ちください。

 

 

 

 

どうなる国体?2027年ながの国体への影響は??

 

 もう一つ、今回のコロナ問題で

日本スポーツ界に大きな影響を及ぼすであろう

今年の「かごしま国体」の問題です。

国体も、今年の東京オリパラの影響を受けて

通常より遅い10月7日(水)より自転車競技開催の予定です。

 

今後、国体がどうなるのか?注目が集まる所ですが

もし仮に、今年開催が不可となった場合にどうなるのか?

かごしま国体が、一年延期になるのか?

その場合は、それ以降の開催地がスライドとなり

ながの国体の開催が2028年になるのか??

自転車界のみならず、長野県全体にとっても

影響を及ぼす可能性もあり、今後も引き続き注視が必要です。

 

 

かつて、やまびこ国体の際に「やまびこ道路」が出来たように
国体は経済効果だけでなく、県のインフラにも少なからず影響を及ぼす。
1年の延期はもしかすると我々の生活にも影響が出るのかも知れない。

 

えひめ国体の際は、松山市内・道後温泉の全ての旅館が満室となった。
長野国体はまだ7年後なので宿泊のキャンセル等の直接の影響は無いものの
国体は県レベルの大きなイベントであることは今のうちから認識しておきたい。

 

 

と、云う訳で「コロナの後で…」第2回でした。

直近の問題として、夏以降の長野県自転車界が

直面するであろう問題について書きました。

やや専門性の高い「業務問題」なのですが、

それでも県の自転車関係者・選手にとっては

今後、少なからず影響が出てくる問題だと思います。

 

特に大会を支える地域の方、

選手を受け入れる宿の方

そうした方への負担が少しでも

減ればと願って止みません。

 

第1回に続いてのメッセージですが

そろそろ県内各自転車関係者の皆さんには

コロナの後の世界を考え始めてもらえればと思います。

 

引き続き、先行きが不透明な状況で

今なお予断を許さない状況ではありますが

心ある誰かの考える糧になればと思います。

 

それにしても本当にオリパラは…

 

ここ数日、自転車諸々で非常に多くの方から
ご意見・ご要望・ご提案・コメント等など、熱いメッセージを沢山頂き
本当にありがたく思っています。凄く勉強になるし、励みにもなります!
ただ申し訳ないのが、返信が遅くなってしまっています。
一つ一つ有難く読ませて頂いていますので暫くお待ちください。

 

 

関連LINK

長野県自転車競技連盟

日本学生自転車競技連盟

日本自転車競技連盟(JCF)

日本スポーツ協会

かごしま国体