〔レポート〕全日本学生ロードレースカップシリーズ RCS第4戦 第13 回 白馬クリテリウムラウンド

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

RCS第4戦 第13 回 白馬クリテリウムラウンドレポート

 7月28日・29日の両日に行われた大学連盟主催の「第13回白馬クリテリウム」のレポートを致します。今回はRCS開幕戦の飯山に引き続き自分が大会のお手伝いとしてコースに出て安全係をしていた関係でレース内容などは断片的にしか見れませんでしたが、大会役員として自分が気付いたことを中心に大会をレポートして行きたいと思います。

地元の協力

 今年で13回目を迎える「白馬クリテリウム」ですが、今年も多くの方の御協力があっての開催となりました。会場入りして一番最初に思ったことは、コース上の水田のあぜ道の草が綺麗に刈られていて観戦する観客や応援団、執務を行う自分にとっても非常に快適でした。また、折からの台風で道に泥が流れ出し初日の試走段階では浮いた砂でかなり危険なコンディションでしたが、各コーナーのボランティアの方が竹ぼうきを持って来てレース開始までにはとても綺麗な路面コンディションになっていたのが非常に印象的でした。その姿を見て自分も箒を借りてコースを掃きましたが、やってみると本当に重労働な作業で改めて地元の方のご尽力に頭が下がる思いでした。また、今年は悪天候も重なって落車が頻発しました。その際にも水田に落ちた選手の救出にいち早く地元のボランティアの方が向っているのを良く目にしました。改めてレースと云うのはその地域の協力無くしては成り立たないことだと痛感すると共に陰でレースを支えてくれた方々に厚く御礼を申し上げます。

大会に際してあぜ道の草が綺麗に刈られていた。

頻発する落車の原因は?

 今年は悪天候もあったのですが、路上で見ていても落車の多さが少し目につきました。2日間レースをコース上の間近で見させてもらって感じたのは、このコースでの落車にはある程度の傾向があるということ。ここから先は各大学の「戦略分析チーム」の範疇に入ってくるかと思うのですが…

 

・5つのコーナーの中で落車が多発するコーナーがある。

・落車が頻発する時間帯が明確にある。

 

一昨年からコーナーでの落車を見ていて傾向があるのでは?と思いどこのコーナーで落車が起こったか?を記録していたのですが、そこでは明確に気を付けるべきコーナー・ポイントが浮彫になりました。(チーム関係者の方少しどこで落車が多発したか思い出してみて下さい。)

5つあるコーナーの特色を知ることが落車リスクを避ける要因かも知れない。

 

そして、今年気になったのが序盤は皆がコーナーを上手く捌いて行くのだが、レースが進んで残り半分の時間帯あたりからが落車が始まり始める。それも今年の傾向として、同じ周回の中で2度・3度と落車が起こるケースが目立った。この要因が選手のフィジカル的要因なのか?はたまたサイコロジカル的要因なのか?もう少し傾向を見る必要性があるが、短いコースを周回するようなレースではこうした分析をすることでリスク回避・安全管理は勿論のこと、そこから「守るべき時間帯」「攻撃する時間帯」「我慢する時間帯」という戦略的な重要性も見え隠れする気がする。是非どこかのチームでこうしたレース中の分析も積極的に行い落車率を下げてもらいたいと思います。

 

そこにいたのは本当に大学生か?

 今大会は台風の中でも大きな事故も無く滞り無く日程を消化出来て素晴らしい大会だったと思う。ただし、幾つかの苦言を呈したい。それは朝イチに会場の設営をしていた時に試走をしていた何人の選手かが「おはようございます」「設営ありがとうございます」「宜しくお願いします」と元気よく挨拶してくれた。実は学連の大会ではこれが出来る選手が本当に驚くほど少ない。これは、書いている筆者に挨拶をして欲しいと言っているのでは無い。朝早くからボランティアで働いてくれている地元の方々にこそしっかり挨拶をすべきと考える。

また、本当に目を覆いたくなったのがレース終了後の駐車場のゴミだ。その散らかった風景よりも、ソレを拾っている地元の方や役員の方々の姿を見て本当に憤りを覚えた。

先日の「美麻のお願い」でも語ったが、サイクリング長野では「こうしなさい!」と云う具体的な提案はしない。ただ、他人がどうのでは無く常に自分はどうあるべきか?を考えて欲しい。そして、君達を見てまたレースを観に行きたい!と言ってもらえるような立ち振る舞いを各自がしてくれるようになれば最良です。

最終日の表彰セレモニーは多くの学生が参加した。

レースを振り返って

〔長野県勢〕

 長野県勢で特に印象に残ったのが佐藤大志・宇志兄弟(明星大)だった。二人とも昇格したことも去ることながら、路面状況が悪いなか集団内でいかに自分達にとって有利な場所でレースをするか?その位置取りが絶妙だった。信大勢では2日目のクラス2?で増田・寺尾・熊野?の3名が集団で連動して動いていたのが印象的で足並みが揃うならば地元の利を生かす戦術は非常に効果的だと感じた。4位入賞した寺尾駿(信州大)は終始粘り強さを感じる走りが印象的だった。レース前にここで昇格したいと語っていた橋本嶺登(長野大)は先手必勝の宣言通り集団の前方でしっかりレースを作った。悪天候はオフロードもこなす橋本にとってむしろ好条件かと思われたが最後のスプリントにやや課題を残す結果となった。

 

今大会唯一試走時に撮影出来た写真(兼平優希:信州大)

信大勢のレースレポート

 

〔県外勢〕

 既にインカレの出場権を持った選手達は出場を回避する傾向があったが、日本大学自転車競技界の中心選手であり日本期待の選手でもある孫崎大樹(早大)が初日ポイントレースを、野本空(明治大)が二日目のクラス1ロードレースを制し強さを見せつけた。また下部ディビジョンでは大阪産業大学が2日間で4名を表彰台に送り込む躍進ぶりを見せた。いよいよ大学最高峰の戦いであるインカレロードが来月上旬に行われる。サイクリング長野では近くインカレ特集も行いたい。

 

2日目ロードレースを制した野本空(明治大)

総合優勝の孫崎選手(早大)には白馬クリスタルトロフィーが贈られ
安曇野アートヒルズミュージアムに飾られます。

 

台風の豪雨とその後の熱波の非常に

厳しい中で大会が行われました。

大会にご尽力頂いた多くの地元の方々に

感謝しつつ来年もまた白馬でお会いすることを

楽しみにしています。

 

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