〔レポート〕全国のMTBキッズが白馬で1週間の合宿!「2019 キッズMTBキャンプ in 白馬さのさか」

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

〔レポート〕「2019 キッズMTBキャンプ in 白馬さのさか」

 

 毎夏、全国のMTBキッズライダーが親元を離れ、長野県の白馬村で1週間の共同合宿を行う「2019キッズMTBキャンプin白馬さのさか」が7月29日~8月3日の日程で、白馬村さのさか地域を中心に行われた。今回も一週間を前期・後期に分けおよそ30名のキッズライダーが全国から集まった。サイクリング長野では合宿5日目に白馬クロスカントリー競技場で行われた講習の模様をレポート致します。

このイベントは単にMTBの技術だけで無く、自然溢れる白馬村で仲間と様々な体験をしながら共同生活をすることで人間としての成長も目的としたものです。

 

 

キャンプ5日目レポート

 

 

長野五輪クロスカントリースキー会場の白馬スノーハープで行われるイベント5日目
この週末にはJOCジュニア五輪が行われる。

 

キャンプを主催する講師は小笠原崇裕(日本代表MTBコーチ/UCI公認コーチ)

 

会場に来て先ず水を飲む子供達。既に練習中の飲水の重要性が浸透しており
自発的にこまめに水を飲む。

 

準備体操が終わると、「A班」「B班」に別れ
「トレイル」と「レース用MTBコース」に分かれ走る。
これ以外でも各学年など細かくグループ分けされ講習が行われる。

 

「トレイル」「レースコース」での走行を終えると技術練習が始まる。

 

一つのカリキュラムが終わると集まってディスカッションを行う。

 

美鈴湖自転車学校でもお馴染みの8の字スラロームを行う。
※8の字を連続させており美鈴湖より難易度は遥かに高い。

 

佐藤寿美コーチから補給食を受け取る子供達。

 

メインスポンサーの森永乳業からウィダーinゼリーが提供される。

 

補給後は変則8の字スラロームのタイム計測を行う。

 

今回は女子の参加も数多く参加した。

 

さらに変則8の字を複数で走ることで狭い範囲で複数人で走ることに慣れさせる。

 

この日はレースでのスタート練習が行われた。
スタートは必ず片足をついた状態で行われる…そんなルール説明もされていた。
3年前シクロクロスでこのルールを知らないカテ1選手がペナルティをとられた。
こうしたルールに関するレクチャーも随時行われていた。

 

午前中最後の練習は大きな円に皆で入り周回する。
徐々に円を小さくして行き最後まで足をつかずに
残った選手が勝ちとなる。

 

円が小さくなって来るなかで自分にとって瞬時に安全な場所を探すこと
さらにゆっくり走る・スタンディング技術などが必要となる。

 

午前中の練習を終えて近くにある宿へ戻る子供達。

 

お昼に宿に戻りカレーを食べて、再び午後の練習へ復帰。

 

午後は大縄跳びを応用し、MTBに乗車したまま縄抜けを行う。

 

最初は殆どの参加者が捕まってしまい上手くいかない。

 

子供達同士どうやったら上手く行くか話し合いながら改善をして行く。

 

気が付くと100回以上連続で縄を抜けられるようになっている。
この「縄抜け」一つとっても子供同士の創意工夫や成長を感じられた。

 

 


 

〔座学講習〕

宿に帰っての座学講習。先ず小笠原コーチによるドーピング講習が行われた。
早いうちにこうした倫理に関する啓蒙を行う事は非常に重要だと感じた。

 

子供達からも多くの質問やコメントが寄せられた。

 

子供達にも解りやすいMTBのメンテナンス講習会も行われた。

 

翌日が最終日ということもあり最後に記念品が手渡される。

 

このキャンプの協賛各社から子供達に参加賞が送られた。

 

講師陣にサインをもらう子供達。

 

この日で講義は全て終了、翌日からはジュニア五輪に臨む。

 

 

講師紹介

 

イベントの主宰者で日本代表コーチの小笠原コーチ
昨年はJCF指導者講習会の講師もつとめた。

 

  • 小笠原 崇裕:UCI公認コーチ
  • 金子 匠 :DHエリート選手
  • 佐藤 寿美:XC女子エリート選手
  • 田淵 昴 : XCO男子エリートクラス選手
  • 中島 瞳 :女子ユース選手
  • 松尾 純 :バイクランチ スタッフ
  • 丸山 八智代:MTBインストラクター・ガイド/ UCIエリートナショナルコミッセール

 

 

サイクリング長野より

 

今回の訪問にあたって

 今回「2019キッズMTBキャンプin白馬さのさか」を初めて見学させて頂くこととなりました。主宰の小笠原コーチは、自分が「東北信育成練習会」や「美鈴湖自転車学校」を企画する際に受講した、JCF指導者講習会の講師として様々なことを教えて頂いたことがご縁で今回の見学の機会を頂くこととなりました。

 既に10回目を数えるこのサマーキャンプ。今回も全国から30名近い小中学生が集まり、MTBの技術・トレーニングだけでなく、田舎でのアウトドア体験や、英会話の学習。その他にも様々な体験を行ったと聞いております。伺ったのは、ちょうど最終日の前日でしたが、親元を離れた子供達は逞しく日焼けをして、白馬を自分達のホームタウンのように走っていた姿が印象的でした。また、多くを語らなくとも、指導者と子供達の距離を見ればこのキャンプがどれだけ充実していたものだったのかが十分に伺えるものでした。

 

昨年の1月に修善寺のベロドロームで行われた「JCF指導者講習会」
この時、修善寺はまだ雪に包まれていた。

 

 

子供達を預かることの難しさと保護者の理解。

 県自転車関係者の皆さんは御存知の通り、自分は海外で教員として小中高の一環学校で働いて、クリケット部とラグビー部のコーチをしていたので子供を預かること、とりわけ小・中学生を預かる難しさを良く知っているつもりです。怪我・病気を始めとしたフィジカルコンディションだけでなく、ホームシック等の精神的な部分でのケア。そして昨今、一番難しいことは「保護者のケア」と云う難題が挙げられます。

この件に関して、自分もフランスナショナルコーチ講習の際に親をどうマネージメントするか?と云う質問を挙げましたが、これは世界的にもいま非常に難しい問題とされています。そんな中で、こうした合宿が10年続くのは一重に主宰の小笠原コーチが日頃から子供達を良く見て、なおかつ親御さん達とも円滑なコミュニケーションと信頼関係を築きあげているものと推察出来ます。その他でも、コーチングスタッフ・地元スタッフ・宿の皆さんは非常に経験値が高く、熱意に溢れており、このキャンプに携わる方々の志の高さを感じることが出来ました。

 

教師・コーチだけで無く、年長者としてもそうだが
どの立場でも子供を預かると云うことは非常に難しい。
その中で講師と子供達の絆を強く感じられた。

 

興味深かった若手コーチングスタッフ起用。

 今回そんな優秀なスタッフの中で非常に興味深かったのは、コーチングスタッフに積極的に若手を登用していたことを挙げたいと思います。我々が行う「東北信育成」「美鈴湖自転車学校」でも、参加した若手の中から金原諒(佐久大)や寺島桜汰(長野南高)をコーチングアシスタントとして登用し、次世代の指導者育成を今から見据えています。

しかし、このキャンプでは、まだユース選手(中学生世代)の中島瞳選手(LimitedTeam 846)をコーチングアシスタントとして起用。中島選手はその大抜擢に応え、子供達にとっては一番身近なお姉さんとしての役割を見事に全うしていました。まだ中学生の中島選手にとってもこの体験がもたらすものは計り知れないと思います。こうした先を見据えたビジョンがこのサマーキャンプが10年続いた一つの要因だと感嘆しました。

 

先日の全日本選手権ダウンヒル女子ユースで優勝した中島瞳(Team 846)
もしかすると子供達から一番近い存在の彼女が最も大変だったかもしれない。

 

最後に…

 今回1日だけでしたが、こうした素晴らしい催しを見学させて頂いた小笠原コーチに改めて御礼を申し上げます。また、このキャンプも含め「サイクリング長野MTB部門」で、日頃お世話になっている江下佳代審判員(長野県)の存在無くして当サイトのMTB運営は成り立ちません。改めましてお二人に深く御礼を申し上げると共に、今回の取材を快く受け入れて下さった運営スタッフ・地元の宿の方、そして参加者の皆さんに心より厚く御礼を申し上げます。また来年もこのイベントを取上げるように致しますので、県内外で興味を持たれた方のご参加をお待ちしております。

 

また来年も白馬へ…

 

 

サイクリング長野として

今回初めてサマーキャンプの様子を

お伝えいたしました。

正直、ここまでもう超ハードスケジュールで

今になってみればもう少し細かく

取材したかったと思っています。

小笠原コーチとは挨拶くらしか出来ませんでしたが

子供達から楽しい話しを多く聞けたことが

自分にとっても良い思い出となりました。

今後ですが…

 

こうした心ある方々のイベントに

地元として何か応援することが出来ないだろうか?

 

それを当サイトの

来年の課題としたいと思います。

もし県サイクリストの方で

何か支援や応援が可能な方がいらっしゃいましたら

ぜひ当サイトまでお声がけを頂ければと思います。

最後になりますが、子供達にとって

このひと夏の思い出がずっと

心に残るよう…

そう思って止みません。

 

 

 

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キッズMTBキャンプin白馬さのさか(公式HP)

森永乳業(協賛)

白馬さのさか観光協会(協力)