〔報告〕北信・東信の中高大学生選手登録者対象「育成練習会」を上田市にて実施致しました。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

〔報告〕東北信・中高生大学選手登録者対象「育成講習会」

 

 去る12月16日(日)に東信・北信の中高大学生を選手登録者および来季の選手登録予定者を対象にした競技講習会「東・北信選手登録者対象育成講習会」を上田市で行いました。当日は朝の気温が-6度まで冷え込む厳しい寒さの中、千曲川サイクリングロードで団体走行の基礎練習。上田自動車学校で実際の競技を想定した団体の実戦練習を行いました。

 

上田自動車学校内にて実際のレースを想定した集団走行トレーニングを行う。
先頭は講師の湯原正幸(長野県代表コーチ)と藤森信行(UCIコミッセール)

 

 

講習内容

 

 講習会は、東信・北信のJCF選手登録をしている大学生・高校生・中学生が対象で、来期からの登録予定選手の参加も参加可能とした。講師は先日の「日本自転車競技連盟3級審判講座」で講師を務めた藤森信行(UCI国際コミッセール:上田市)と、長野県自転車競技連盟主催「美鈴湖自転車学校」で講師を務めた湯原正幸(長野県代表チームコーチ)の両名。

 

自転車界ではお馴染みの藤森信行(UCI国際コミッセール)

美鈴湖自転車学校・テクニカルゲームスに続き講師の湯原信行(長野県代表チームコーチ)

 

午前の部

《集団走行基礎練習》

 河川敷の強い風を利用しての集団走行練習。基礎的な集団走行の技術アップは勿論のこと、刻々と変わる強い風に対して集団をどう形成し、集団内のどこで自分達が一番楽に走れるのか?を体験し意識しながら練習が行われた。

風の強い河川敷で集団走行練習を行う

 

午後の部

《レースを想定した集団走行練習》

 午後は実際のレースを想定した集団走行練習を行った。自動車学校と云うクローズドの周回コースで行われ午前の部に比べスピードや運動強度を上げて行われた。また講習終盤では、ポイントレース等も想定したアタック練習も行われ1名の選手が飛び出して集団を周回遅れにする練習も行われた。

その後はアタック練習を土台として、逃げた選手をチェックする練習や、逃げた選手に対して集団で追いかけると言ったより実践的な練習も行われ選手達は楽しみながら練習を行っていた。

 

集団から1名がアタックして集団を周回遅れにするまでもがく練習

 

集団からアタックする練習を行う畑山駿一(上田千曲高)

 

 

サイクリング長野より

 

◇選手を受け入れる窓口が殆ど無い東信エリア

 今回こうした講習会を試験的に行いましたが、日頃言っているとおり【南信】にはスワコレーシングやボンシャンス等【中信】には松本工やイナーメ・安曇野・白馬MTBクラブ等、【北信】も快レーシングやおおぞら自転車倶楽部等々、子供達を受け容れるクラブや教室があります。しかしながら、東信には競技をやりたい・スポーツ自転車を楽しみたいという子供達や愛好家に対しての受入れ窓口が殆どありません。

 

◇高体連に見る東北信選手の致命的な弱点

 特にシーズンの始まりである高校新人戦にその傾向が顕著に表れるのですが、ここ数年の長野県高校王者を見ていると中信と南信の選手が独占しています。その理由に、部活やクラブチームのある中南信の選手に比べて東北信の選手は圧倒的に集団走行の経験が不足しており、勝負どころまでに足を使い過ぎてしまいココ一番ではもう勝負にならないというケースが多くみられました。

 

◇東北信の高校の殆どが部員一人…

 加えて、中南信の各高校はある程度の部員を揃えて活動しているのに対し、東北信の高校の生徒達は殆どが1人で活動している選手ばかり。自転車と云う特殊な機材を用いる競技の特性上それは仕方ないが、それでも競技以前に共に自転車を愛する選手達が一緒に練習したり、話が出来る環境を作ってやることが出来ないか?そうしないと、長野県の競技レベルうんぬんより、自転車競技をする若者がいなくなってしまう。何とか横の繋がりを作る機会を設けたいと考えていました。

 

部員1名ながらも全国各地で活躍する寺島桜汰(長野南)

 

2018年インターハイ予選の全出場選手(ロード&トラック)

 

2018年秋長野県高校自転車新人戦全選手(ロード&トラック)

 

 

◇競技における安全技術の向上

 また各全国大会を見ても、大学生にしても高校生にしてもレースでとても酷い落車をよく目にします。自転車競走は時にそのスピードから命の危険のあるスポーツです。その為に、怪我をしない・させない為の基礎技術の向上が昨今強く求められています。全国レベルのチーム・部でさえも単純にパワーを上げる練習ばかりが優先され、最低限の安全を確保する技術講習さえしていないチームも数多く見受けられます。このような現状、改めて基礎技術と安全技術の向上の機会をカテゴリーやレベル・年齢にとらわれず定期的に提供出来ればと考えています

 

今年は長野県自転車競技連盟でも自転車基礎講座を行った。

 

◇今後の展望(普及・育成・強化)

 今回は、競技選手と競技を目指す選手達を対象にこうした「育成」を目的とした練習を行いましたが、個人的な想いを言えば様々なサイクリングイベントに参加する一般のサイクリストの方を対象としたスキル講習会や、子供達や生涯スポーツとして自転車を長く楽しむための講座など「普及」活動もして行ければと思います。そして、それが長野県代表「強化」への道となり、多くの人がサイクリングを安全に楽しめる県になれれば最良です。

 

バイクショップ「ベレーニョ」(上田市)が開催するテクニカルゲームズ

 

 

今回は試験的にこうした試みを行いましたが

今後は少しずつ受入れを広げながら

育成・普及を行っていければと思います。

次回、新たなイベントがある際は

サイクリング長野でお知らせ致します。

また、他地域で普及・育成活動をされている方

サイクリング長野でもお知らせをさせて頂きますので

お気軽にご連絡下さい。

 

 

関連LINK

サイクリング長野ドットコム

上田自動車学校