〔エッセイ〕2019年サイクリング長野が目指すもの!

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

2019年サイクリング長野が目指すもの

 

 いよいよ新年号が発表され、新年度を迎えました。おかげさまでサイクリング長野も1周年を迎えました。正直な話しをすれば、「長野県自転車界の情報サイトを作る!」と大風呂敷を広げた割りに、ITに全く無頓着な自分がここまで1年間活動が出来るとは思ってもいませんでした。一重に御理解・御協力を頂いた皆様のおかげです。

それを踏まえて、今シーズンを迎えてサイクリング長野が何を目標とし目指してやって行くのか?を簡単ながら掲載して行きたいと思います。申し訳無いのですが、この絵(サムネイル?スライド?)を1時間ちょっとで仕上げたのでかなりまとまりが無いのですがご覧いただき、皆さんが各持ち場へ帰って頂いた時の考える糧になれば最良です。

 

 

2018年活動報告

 

 初年度は以上のような活動を致しました。Team Nagano Tシャツプロジェクトに関しては改めて御賛同頂いた皆様に御礼を申し上げます。また、東京都自転車競技連盟普及委員会の松本副委員長・日置理事長を始めとした「TCF自転車学校」の皆様のお力添えを頂き、自転車講習会を県内で5回開催のお手伝いをすることが出来ました。

今後も、長野県連盟や地域の自転車屋さん等と連動して、安全講習会・技術講習会等を催し「普及」「育成」に貢献出来ればと思っています。まだまだ課題が多いですが、引き続き皆様のご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

 

 

2019年サイクリング長野のビジョン

 

〔誰に情報を届けるか?〕

 

 2018年に引き続き、本年も「スポーツ自転車に乗らない方」を中心に情報を発信して行きます。また、常日頃言っていることですが、野球界では少年野球から早起き野球のおじさん選手までが、甲子園に行く長野県代表校選手のことを知っています、昨日あったプロ野球の結果を知っています。それが野球と云うスポーツが日本の文化として根付いてる一つの現れです。県自転車界もそうあって欲しいと願います。自転車愛好家の皆さんが選手の活躍に興味を持ってもらえるように…。「競技層と非競技層のインテグレイト(融合)」を目指して行きます。

 

 


 

 

〔サイクリング長野が目指す目標とプロセス〕

 

 

 サイクリング長野の目標は昨年と変わりませんが、改めてそのプロセスとして「普及」「育成」「強化」を掲げたいと思います。既に昨年から「普及」として、当サイトでの情報発信。「育成」として各種の自転車講座等を行って参りました。今年はより「普及」に力をいれて底辺の拡大と基盤の構築を進めて行きたいと思います。

 

 


 

 

〔三つのビジョンについて〕

 細かく書くときりが無いのですが、「普及」に関してはいかにスポーツ自転車の敷居を下げるか?「自転車をやってみたい!」と思われた方々をいかにスムーズにクラブチーム等の受入れ間口へ導けるか?当サイトの大きな役割だと考えています。また「育成」に関しても大会・イベントに出場するサイクリストに対して出来得る限り有益な情報(大会情報・トレーニング情報)を共有し提供出来るように努めて行く予定です。「強化」に関しては各連盟・協会と連動して情報提供を行う他、県関連チーム・選手の活躍を伝えることで間接的に支援をして行ければと考えます。

 

 


 

 

〔サイトの情報カテゴリーについて〕

 昨年に引き続き、「競技系イベント」「非競技系(サイクリングイベント)」「長野県選手情報」「一般情報」を中心に提供して行く予定です。今後状況をみてサイクルツーリズムや地域活性を主とした「自転車旅行」「地域の魅力情報」等も増やして行く予定です。

 

 


 

 

〔非競技系サイクリングイベントについて〕

 

 昨年の最大の反省点として、「サイクリング層」に対しての情報提供が絶対的に不足していたと思います。今年は特にこの分野に力を入れて、県外や海外のサイクリストに対しても「Cycling City Nagano」の魅力を発信したいと思います。

主な企画としては、昨年出来なかった「駅前レンタサイクルの旅」を予定。これは、その地域へ遊びに来た人が、朝ホテルをチェックアウトする前後まで楽しめる2~3時間のレンタサイクルツアーを紹介するもので、旅行に来た際に「ちょっとそこまで自転車散歩」を紹介。より気楽に自転車を楽しんでもらえ、さらに地域の活性化に繋がるようなゆる~い企画を考えています。

 

 


 

 

〔各競技イベントについて〕

 

 

 競技大会については、一年目としては非常に良く伝えられたと思います。特に毎週、県勢の結果を出すことで、地域メディアが少しずつ自転車を取上げてくれたと思います。ただ、課題としては昨年は大会を把握して結果を載せるだけで精一杯でした。今年はいかにスポーツファンに興味を持ってもらえるような伝え方・魅せ方が出来るか?格好いい写真を撮れるか?にも地道に段階を踏んでステップアップして行きたいと思っています。

 

 


 

 

〔一年活動して感じた違和感

 

この一年、今までとは違う視点で競技・非競技問わず様々な場所に行って感じたのは、自転車界共通でどんな崇高な目標を立てても一部の人達の内輪話で終始終わっていること。そして、「基礎」「基本」「応用」の段階も踏まずにいきなり「応用」をやりたがること。

例えば「強化・育成システムが無いのにも関わらず〇×大会で金メダルを」と云う。自転車文化が全く根付いていないのに「〇×サイクリング道路を作る」と云う。一般の人はもとより、自転車業界の人さえも殆どその構想について行けて無い状態が多々見られるし、現状で目標を掲げても、殆どの自転車の現場が人手不足・後継者不足で対応しきれない状況にある。少し目標と現実と乖離し過ぎているきらいがある気がします。

目標までのプロセスをしっかりと設定して、その目標の先に何があるのか?ビジョンを持たなければ、どんな立派な建物を建てようと、それはスタートして1年か2年で風化して滅びてしまう。自転車界に限らず日本にはそんな、外見だけが立派だったであろう夢の跡があちこちに存在する気がします。

 

 


 

 

〔今の自転車界に足りないと感じたもの

 

 これは自分があるスポーツ業界にいた時の話し。そのスポーツの人気を出そうと協会が知恵を絞って出した二つの結論が「とにかく国内トップリーグを盛り上げよう!最高のプレーを見せればお客さんは来てくれる!」「世界一になろう!金メダルを獲ろう!」それが、その協会の最大の目標となって起こったこと。

その時に痛感したのは… では、例えば、バレーボールに興味の無い人が「世界最高峰のプレーをします!」と云うアピールで試合を観に来てくれるか?「ラグビーの全日本の決勝戦です!これが国内最高峰です!」と言って観に来てくれるのか?答えはNoでした。バレーボールならば、Vリーグトップのチームより、多くの長野県民は無意識に創造学園やトライデンツを応援します。高校野球も昨年の甲子園王者よりも長野県代表を応援したくなるのは、その競技を知らなくてもそこに(地域と云う)繋がりがあるからです

一方で、「世界一や金メダルを目指すこと」もそれだけでは事足りません。事実、日本自転車界は先般の世界戦で銀メダルを獲得したのにも関わらず、国内では探さないと出てこない程度のニュースにしかなりませんでした。自転車ファン層のTwitterを見ていても、応援する立場にある日本のサイクリストからさえ銀メダルの熱狂が殆ど伝わってきませんでした。これも一重に、日本の多くの人にとって自転車競技との繋がりが無いからです。

相撲界には「遠くの横綱・大関よりも、郷土の三枚目」と云う格言が古くから存在します。改めて、土壌を育み・繋がりを作る為に、サイクリング長野が継続的にすべきは何かを考えて行きたいと思います。

 

 


 

 

〔2019年サイクリング長野が目指すもの

 

 

 長々と喋ってきましたが、2019年サイクリング長野の最大のテーマは「繋がりを作る」ことです。おかげさまでこの一年、様々な方の御協力やご理解を賜りサイトを運営出来ました。今改めて思うのは、お金も大切だけれど、最も大切なのは「人」だということを痛感した一年でした

自転車学校にしても、東北信合同練習会にしても自分1人だけだったら、今も頭の中で崇高な理想ばかりが繰り返され、結局カタチにならなかったと思います。それでも開催出来たのは、目標設定を現在の身の丈にあったものにしたこと。その時、身近に素晴らしい先輩方がいてくれたことに尽きます。「普及」も「育成」も「強化」も先ず人がいて、共有できるビジョンがあって初めて動き出します。

 さもすれば、宇宙一・世界イチ・アジア一・日本一そんな言葉ばかりが独り歩きする日本のスポーツ界ですが、サイクリング長野に関しては、荒地に見合わぬ豪奢な天守閣を建てる前に、石を拾い・草を抜き、土地を開墾して、縄張りを巡らし、掘りを切り、石垣を作り、土台を作ってからの天守閣作る。戦いは次の世代も見据えながらと考えています。

 

 

 

自転車の未来…

 

 昨夏、100回を迎えた甲子園の決勝戦の翌日、自分は第1回高校野球大会が行われた豊中市の高校野球発祥の地(旧豊中グラウンド)にいました。何となく100年と云う時を感じたかったのですが、そこで驚いたのは丁寧に記録された100年前からの記録と同時に、既に第200回大会までの優勝校のレリーフが用意が用意されていたことです。

 

 

 

 「歴史と伝統」「郷土と云う繋がり」を徹底的に強調して来た高校野球らしさを垣間見た気がして、賛否あれど流石だなと思いました。そんな野球も日本の人口減少の3倍のスピードで競技人口が減っているそうで、絶大な人気を誇る高校野球であっても、次を試練の100年と位置付けて様々な普及活動を地道に行っています。

 

〔自動車が自動運転になった時、自転車は…〕

 我々自転車はどうでしょうか?次の100年を想像しているでしょうか?遠いようで、孫の代(もしかしたらまだ息子の代かも)の話しです。個人的には、車が自動運転になったら恐らく移動手段としての自転車はその役割を終えると思います。既に米国では空飛ぶ車「フライヤー」と云う未来の乗り物がレジャー利用を目的に認可されているそうです。最近色々な方と議論するのですが、おそらく未来では車が空を飛ぶというより、タイヤの無い乗り物が自動運転で(もしくは脳と直結して)公道を走っているのかも知れません。そうなった時に自転車はどうなるか…

おそらく、100年前に馬が道路から消えたように、自転車も公道から消える日が来るのかも知れません。そうなった時、自転車が生きる道は、馬と同様に「競技」と「レジャー」です。「エクササイズ」さえズイフトにその地位を譲るかも知れません。これはかなり悲観的な未来図ですが、全く無いとは言えません…

だからこそ、自転車競技は未来に向けて今から確固たる地位を築く必要があると考えています。最近よく自転車関係者から「自転車は近代五輪創世記からある種目だから…」と聞きますが、紀元前からあるレスリングが一昨年に五輪から除外寸前まで追い込まれました。そもそも、五輪自体このままでは近い将来運営が立ち行かなくなる恐れさえ考えられます。

 

恐らく100年後は想像も現時点では想像も出来ない乗り物が走っているはず。

 

 

〔美鈴湖に100枚のTシャツをから…〕

 昨年、たまたま「高校野球が100年」だったこと、「美鈴湖に100枚のTシャツを…」と云うプロジェクトから自転車の未来を考えるようになったのですが、改めてサイクリング長野は次の100年後の未来を見据えながら活動して行きたいと思います。おそらく、ツールドフランスにしても甲子園にしても、それが文化として定着するまでには、地道に1年・1年の歴史を100回続けて来たが故だと思います。良い時も悪い時も、サイクリング長野はその都度ビジョンを明確にして、地に足をつけた活動を出来る限り続けて行きたいと思います。

 

かつて自分が「面白助っ人外国人枠」で所属した100年続くチームの100年分の写真
歴史を紡がず日々を漠然と垂れ流しても「歴史」とはならない。

 

 

そんな訳で、長くなりましたが

今年のサイクリング長野の方針です。

う~ん・・・。

これ誰が読むんだろうか?

何だか小難しいこと書いたが

自分もそれを実践できるか解りません。

ただ、小さなことを疎かにせず

1歩、1歩く積み上げて行くことが出来れば…

共に歩む人、後ろに続いて歩んでくれる人がいれば…

きっと100年後の未来も明るいはずです。

何時もの話しですが、他人様がどうこうでは無く

サイクリング長野はどう歩むか?それを

自身に厳しく書いたつもりです。

良いシーズンになるよう、未来に繋がるように

頑張って行きたいと思います。