〔告知〕世界アンチ・ドーピング機構(WADA)「2023禁止表国際基準」〔日本語版〕の発表について。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

 

〔告知〕WADA規定「2023禁止表国際基準」〔日本語版〕の発表について。

 

 こんばんは、明日は2022年の長野県内最後の自転車イベント?

というか、今年も様々な自転車関連のイベントがあったなかで

2022年の最後が「JCF公認審判試験」というのは…面白い年ですね。

 

 

さて、そんななか…

 

 

JADA(日本アンチ・ドーピング機構)が

国際ドーピング機構WADAが定める来年度の『2023禁止表国際基準』を

発表したので当サイトでもお知らせします。 

 

何度も言いますが、競技者ライセンスを持つ競技選手は

年齢を問わず、ドーピングの対象となります。

 

以前、自分が海外にいた時に

ドーピングスキャンダルに巻き込まれた話をしました。

自分には何もすることが出来なかったからこそ

悔やんでも悔やみきれない想いに今でも苛まれます。

 

再三書いているとおり、この先

再び同じ悲劇を繰り返さないためには… 

 

やはり「幼少時からの教育」と、

常にこの問題に対して「啓蒙」と「注意喚起」

これが自分の結論であり

この先、自分に出来る最大・唯一のことと思います。

 

だからこそ、長野県自転車関係者はもちろんのこと

U-12キッズ選手の保護者の皆さん

U-17&U-15のユース選手の皆さん。

もちろん、U-19のジュニア選手の皆さんにも

読んでもらえればと思います。

 

※実は自分も全部を完璧に読んでいませんが掻い摘んでポイントを書いておきます。
 毎度のお知らせになりますが、ドーピングについて… というよりも
 この分野(科学)の進歩は日進月歩です!今日の情報がもう明日には使えないことも多々あります。
 ですので、必ず最新の情報を常に調べるようにして下さい。

 そして、心配事があれば「長野県のスポーツファーマシスト」に必ず相談してください!
 ここを通じて一番伝えたいことは、非常に専門性が高いがゆえに
 常にこの「ドーピング」という分野に興味を持っておくこと。
 それが唯一、「ドーピング禍」から自分を遠ざけてくれる術であると思って下さい!
 これを何よりも望んでいます。

 

〔過去の記事〕

 

 

 

2023年禁止表国際基準

 

 

 

2023禁止表国際基準
世界アンチ・ドーピング規程
〔2023年1月1日発効〕

 序文

 常に禁止される物質と方法 
 ・無承認物質
 ・蛋白同化薬
 ・ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質
 ・ベータ2作用薬
 ・ホルモン調節薬および代謝調節薬
 ・利尿薬および隠蔽薬
 ・M1-M2-M3 禁止方法

 競技会(時)に禁止される物質と方法
 ・興奮薬
 ・麻薬
 ・カンナビノイド
 ・糖質コルチコイド

 特定競技において禁止される物質
 ・ベータ遮断

 

  2023年禁止表国際基準〔PDFファイル/JADA公式HPより〕 
 ※今後アップデートされることがあります常に最新のものをご確認下さい(2022年12月10日現在)

 

 

 

〔2023年主要な変更〕

 

 

 

 

ポイント①「糖質コルチコイド」

 

 2023年のWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の規定では

糖質コルチコイドの規定について

大きなアナウンスされています。

 

糖質コルチコイドについては近年

「アレルギー」「気管支喘息」「炎症性腸疾患」などでも

使用されており、アスリートにも比較的

身近な治療薬だとされています。

 

※特に自転車界では、喘息薬関連の成分によるドーピングが多く
 この分野の「禁止成分」・「一部制限成分」については非常に幅広いので
 心配のある方は、必ずスポーツファーマシストに相談してください。

 

自転車界での糖質コルチコイドについて調べてみたところ

JCFが2011年にこんな声明を出しています

この文章を見ると、糖質コルチコイドは

自転車界では禁止されていません。

 

しかし、今回の変更では

 

許可される(禁止にならない)
投与経路がより明確になりました。

 

 

 

 2023年訂の糖質コルチコイド投与経路の明確化

 

 ✓糖質コルチコイドの禁止とならない投与経路
  ・吸入   ・皮膚(塗り薬)・眼(目薬) ・耳
    ・歯根管内 ・鼻腔内 ・肛門周囲の使用も禁止されない。

 

 ×禁止となる投与経路
 ・全ての注射使用 ・経口使用 ・経直腸使用
  治療のために、これらの投与経路を使用する場合は、
  ※TUE(治療使用特例)の取得が必要。
  TUE申請が必要かどうか?は「アスリート・カテゴリー」(eg.年齢・性別ほか)による

 

 詳しくは 必ずこちらの動画(JADA公式HPより)を参照のこと。

 

※TUEとは…
Therapeutic Use Exemptions=「治療使用特例」のことです。
アスリートには適切な治療を受け、自身の健康を守り、スポーツに参加する平等な権利があります。
病気やケガの治療のために、禁止物質や禁止方法を使用せざるを得ない場合には
特例として承認を得た上で使用が可能となります。

承認を得るためには、TUEを取得するための条件を満たす必要があります。

アスリートは、治療目的のために禁止物質・方法を使用する前に、
その禁止物質・方法に対してTUE申請を行います。

申請されたTUEは、アンチ・ドーピング機関で審査され、付与か却下が決定されます。
TUEが付与された物質・方法については、使用が認められた用量と期間にて使用できます。
TUEが却下された場合、その禁止物質・方法の使用をすることは違反となります。

TUEを取得するための条件TUE申請手続きの流れを確認しましょう。

 

 

 

〔詳しくはこちら〕
2023年禁止表国際基準とTUEに関する国際基準の変更点

(参照元:Youtube/JADA公式チャンネル

 

 

ポイント②「トラマドール」について

 

 トラマドールって、自転車関係者の皆さんは覚えていますかね?

ロードレースが好きな方ならピンと来た方が多いと思います。今年でしたか… 

ツールドフランスでキンタナ選手がこの物質の陽性反応が出て

ツールドフランスの成績がはく奪された… そんなことがありました。 

 

ただ、UCI規定では今までも禁止薬物でしたが

これまでは(来年までは)WADAが定める禁止薬物では無かったのです。

しかし、再来年の2024年1月をもって、WADA傘下のスポーツでは

禁止表に追加され禁止薬物となることがアナウンスされました。

 

 

〔JCFのトラマドールに関する過去の通告〕

 

 

 

身近にいます!スポーツファーマシスト!!

 

 毎年のお知らせなのですが!

日本には、スポーツ薬学を専門とした薬剤師さんである

スポーツファーマシストという資格を持った方がいます。

2022年現在、長野県内には53名の専門薬剤師さんが登録されています

 

特にこの中には、現役の自転車選手の方もいますし

自転車競技を専門とされている方もいます。

 

自分は、ここでこうして啓蒙することしか出来ないのですが! 

選手・スタッフ・保護者の皆さんで「心配ごとがある方」

もしくは「これってどうなのさ?」と言った質問があれば 

お気軽にスポーツファーマシストの方に相談頂ければと思います。 

 

長野県内のファーマシスト検索はこちら

 

 

〔スポーツファーマシスト公式HP〕

 

 

 

 

はい、という訳で

年末恒例の「来年のドーピング規程」に関する

お知らせでした。

 

 

何時も思うんだけど…

 

 

このサイトって

「お医者さん」「薬剤師さん」「栄養士さん」も

見てるわけですよ。

 

 

で!

 

 

何で素人の俺ドーピングを語ってんのよ??

 

 

とも思うのですが、前も語ったと思うのですが

やはり、自分は過去にドーピングで痛い目を見てるんですよ。

まぁ日本国内でこういう実体験をしている人って

やはり少ないんだと思うし、痛みを味わったからこそ

語れることもあるか…

 

 

だけど、実は自分が絡んだドーピング禍って

これだけじゃないんですよね。

もっと身近な人間がドーピング絡みの

スキャンダルに巻き込まれて… 

 

 

世界一とまで言われたトリックスターが
本当に坂道を転がるように堕ちて行く…
(この話し長くなるのでまた機会があれば)

 

 

その時々のこと思うたびに

最終的には、「幼少期からの教育」と 

「常に情報をアップデートし続けていないと

いけない」ってことなんですよ。

 

 

海外にいた時って、今では考えられないほど
本当に輝かしい光の中にいて…

 

 

先日の脳震盪の話をした時もそうだったけど

眩しすぎる光の影は、本当に救いが無いほどの残酷な闇だと

身をもって知った時でもあった気がするんですよね。

 

 

とにかく、去年も言ったのですが…

 

 

ドーピングに関しては

非常に専門性が高く

その化学(科学)の進歩は日進月歩です。

 

大切なのは、こうした情報が出た時に

常に興味を持って欲しいということです。 

 

 

ドーピングに関しては最後は

全てが選手の責任となります。 

 

 

北京五輪での未成年の女子フィギュア選手の問題も

記憶に新しいはずです。大人がどうであれ

結局は、最後は残酷なまでに選手に全てがかかってきます。

 

 

それ故に、日頃のドーピングに対する

好奇心が「迫る危機」を遠ざけてくれると思います。

 

 

これが、皆さんの考えるきっかけになればと切に願います。

 

 

あと、おそらく今回のドーピング規程を

たたき台に、例年であれば

年が明け「日本スポーツ協会」から

「アンチドーピング使用可能薬リスト」が

発行されると思うので発行され次第にお知らせします。

 

 

 

関連LINK

日本アンチ・ドーピング機構

日本スポーツ協会

世界アンチドーピング機構(WADA)



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