〔特集〕サイクリング長野が選ぶ2019年シーズン最も印象に残ったレース5選!

〔特集〕サイクリング長野が選ぶ2019年シーズン最も印象に残ったレース5選!

 

 今年は多くのレースを見る機会がありました。そんな中から今年「サイクリング長野」が実際に観たレースの中から独断と偏見で非常に「印象的だった長野県選手達のレースを5つ選んでご紹介」致します。何だか今時のブロガーやYoutuberがやるようなチャラい企画ですが、どのレースも自転車を知らない人が見ても心に残る素晴らしいレースだったと思います。

それと是非!信州サイクリストの皆さんにも今年心に残ったレースがありましたら是非教えて下さい!貴方にとってのベストレースは何でしたか?また来年、素晴らしいレースが沢山生まれることを楽しみに…

 

 

①信州の高校生が強豪大学生を山で退ける。

 

全日本学生RCS第二戦 飯山ヒルクライムラウンド

 長野県に春を告げるロードレースの開幕戦となった

《大学ロードレースシリーズ第二戦菜の花飯山ヒルクライム》の

C3クラス(3部レース)で、地元高校生としてオープン参加した

畑山俊一(上田千曲高)は、二本勝負のヒルクライムで力強い走りを見せ

「1本目18分05秒」、「2本目18分50秒」の好タイムを揃え

最終合計タイムは、出場70名中なんと3位。開幕戦で高校生ながら

見事に全国の強豪大学生を退けるビッグサプライズを見せた。

 

 

 

順位 名前 大学名 一本目 二本目 合計 昇格
1位 神原昂太 北海道大学 17分44秒 18分19秒 36分03秒  ✔
2位 菊地優吾 東北学院大学 18分05秒 18分27秒 36分32秒  ✔
3位 畑山駿一 上田千曲高校 18分05秒 18分50秒 36分55秒  
4位 三浦隆也 東海大学 18分25秒 18分40秒 37分05秒  ✔
5位 久保一真 日本大学 18分24秒 18分51秒 37分05秒  ✔

畑山選手は高校生(高体連選手)の為、ディビジョンⅡ(2部)へは昇格出来ず。
※2部選手は例年であればインカレ本戦への出場権獲得。
オフィシャルリザルト(学連公式:PDF)

 

二本目のスタートでは、強豪の日大・京産大の選手と共に第一列からスタート
大学生が畑山をリスペクトしての一列目。非常に印象的だった。
〔画像:一番右〕

 

 

 

 

 

②その差わずか数センチ…

 

令和元年長野県高校総体ロードレース決勝

 今年は共に高校日本代表として活躍した

鈴木来人(伊那北)山田拓海(飯田風越)

インターハイ長野県予選である《長野県高校総体ロードレース》で

県高校自転車史に残るデッドヒートを繰り広げた。

共にボンシャンスユース出身でライバルでもあり

盟友でもある二人。勝敗を分けたのは、僅か車輪半分の差だった。

鈴木来人は飯田風越の長野県高校自転車ロードレース4季連続優勝を阻み

初の長野県高校王者となった。

その後…

山田拓海(飯田風越)は、全日本選手権ロード個人TTで優勝し

ジュニア日本代表として世界選手権へ出場。

鈴木来人(伊那北)は、現在シクロクロスJrの日本ランク1位として

2020年2月に行われるシクロクロス世界選手権に二年連続出場する。

 

〔男子〕

1位 鈴木 来人 (伊那北高)
2位 山田 拓海 (飯田風越)
3位 青島 冬弥 (飯田風越)
4位 宮澤 小太郎(松川高校)
5位 山浦 秀明 (松本工業)
6位 小林 雅幸 (松本深志)
7位 畑山 駿一 (上田千曲)
 完走7名/出走27名

公式リザルト(PDF:大会公式)

リードしていた204番山田をゴール前で僅かに交わした207番鈴木。近年稀に見る大接戦となった。
山田はロード日本代表として世界戦へ。鈴木はシクロ日本代表として世界選手権を戦った。

 

 

 

 

 

③今季「信州クロス」最高のデッドヒート!

 

信州シクロクロス開幕戦白樺湖ラウンド 小学生の部

 信州クロス開幕戦のキッズレースは、今年から1部レースが終わった後の

最終プログラムとなった。もう多くの人々が帰り支度をする中で

小学生低学年の二名による手に汗握るデッドヒートが、今年ここまでの

信州クロスの中でのベストレースとなった。スタートから

鈴木名人(Bonne Chance キッズ)が先行すると、それを

榛澤有輝(BR)が粘り強く追いかける。激しい競り合いは

実に7周回に渡り最後は僅かの差で鈴木が榛澤の猛攻をしのぎきり

勝利を収めた。二人の最後まで諦めない姿は間違いなく

今季の信州クロス全ラウンド・全カテゴリーの中で

ベストレースとなった。

 

逃げる鈴木、追う榛澤の展開でレースが始まった。

 

ついに先行していた鈴木を榛澤が捉えると会場はこの日一番の大歓声!

 

二人のデッドヒートは実に7周回に渡って繰り広げられた。

 

最後の最後まで諦めない二人の姿は観る者に多くのことを教えてくれた。
素晴らしいレースを見せてくれた二人に惜しみない歓声がおくられた。

 

 

 

 

 

④届かなかった僅かな差… しかし、堂々たる準優勝!

 

第75回インカレロードレースより

 大学日本一を決める伝統の第75回インカレロードレース。

既に学生個人選手権で3位、表彰台を現実的に狙える位置まで来ていた

小出樹(京産大:松本工出)だが、実は前週のインカレ・トラック競技では

団体追い抜きで大ブレーキ、チームは表彰台を逃した。

そんな悔しさを胸に臨んだロードレース、小出は序盤から持ち前の

積極性を前面に出して躍動する。最終回に入るとU-23日本王者の

武山(日大)との一騎打となり、チャンピョン相手に真っ向勝負を挑み

僅かな差で敗れたものの、敗れてなお、長く人々の記憶に残る激闘を繰り広げた。

 

その後、小出樹は国体で長野県代表に平成元年以来の表彰台をもたらし

秋にはジャパンカップロードレースにおいて自身初の日本代表に選出された。

 

 

男子ロードレース(174.2km)

1位 武山 晃輔(日本大学)4時間41分27秒
2位 小出 樹 (京都産大)4時間41分27秒
3位 片桐東次郎(日本大学)4時間41分40秒
4位 奥村 十夢(中央大学)4時間41分42秒
5位 佐藤 宇志(明星大学)4時間41分46秒
(出走170人  完走51名) 

公式リザルト(PDF:学連公式)

 

最後のスプリント勝負で互いが握手をしてから勝負に入る姿が非常に印象的だった。
(参照元:Youtube)

 

堂々たる戦いの末の準優勝は長く語り継がれる素晴らしい内容のレースでもあった。

 

 

 

 

 

⑤県選手団最年長選手の走りが大きな感動を生む!

 

日本スポーツマスターズ2019ぎふ清流大会 -60歳以上の部ケイリン-

 今年多くのレースを見て来たが、一番のサプライズを挙げるならば

マスターズ国体での小林英樹(長野県:COGS NAGANO)のケイリンを挙げたい。

小林選手は既に長野県を代表するマスターズ選手だが、トラックを本格的に

始めた?復帰した?のは、ほぼ今年から、そんな小林選手が計測系種目では無く

ケイリンと云う競争系種目に出場したことが、先ず最初のサプライズ。

60歳を過ぎて新しい種目にチャレンジすることだけでも驚きだが

予選で残り2周から豪快に逃げての2位決勝進出。

迎えた決勝でも逃げを見せるが、もちろんそう簡単には逃がしてくれない。

しかしながら、最終回で冷静に集団後方に下がると

今度は最終コーナーで見事な追い込みを見せての3位表彰台。

予選での「逃げ」、決勝での「捲り」と云う全く違う方法での勝利。

小林選手のケイリンを初めて見たが、勇敢さと冷静さを併せ持ちながら

観ている者の心を揺さぶる熱いレースを見せてくれた。

恐らく今年、現場にいて一番熱くなったレースかも知れない。

 

ケイリン1回戦《第3組》

1位 村上 友徳(福岡)※決勝戦進出
2位 小林 英樹(長野)※決勝戦進出
3位 佐藤 哲 (愛知)
4位 駒谷 修 (北海道)
5位 中嶌 雅利(岐阜)
6位 宮田 晴仁(愛知)

 

ケイリン決勝

1位 村上 友徳(福岡)
2位 若杉 平雄(愛知)
3位 小林 英樹(長野)
4位 山崎 清一(静岡)
5位 中村 仁 (東京)
6位 城戸 慶光(福岡)

 

予選で見せた勇敢な逃げは観る者の度肝を抜いた見事な奇襲だった。

 

一転して決勝では、逃げから冷静に後方待機。
さらに最終コーナーからの見事な追い込みを見せた。

 

見事3位表彰台が決まり長野県自転車競技連盟の浅香理事長とガッチリ握手。
今年自分が見た様々なレースの中で最も熱くなったレースだったかも知れない。

 

 

 

 

 

 

サイクリング長野より

 

個人的に今年一番嬉しかったシーンは山田拓海(飯田風越)が全日本王者に決まった瞬間だった。
完敗から生まれた「サイクリング長野」をやって来て本当に報われたような気がした瞬間でもあった。

 

 

今年最も印象に残ったレースは何だろう?

そう考えた時に脳裏をよぎった「五つのレース」について

ご紹介しました。

 

では、印象に残ったレースとは何か?

 

と考えてみると、それは勝敗よりも

どれだけ観る人に何かを与えられたか?

観る人の心を熱く出来たか?

非常に重要なファクターであることに気付きました。

 

おそらく、観る人の心を熱く出来るような走りを

毎回できるようであれば、きっと自転車を観る人

応援してくれる人が増えて行くと思います。

それは、プロであろうと小学生の大会であろうと変わりません。

選手の必死に走る姿は、例えルールを知らない人でも

足を止めて見入ってしまう「何か」があります。

来年も長野県の選手がそんなレースを

繰り広げてくれることを強く期待します。

この記事の冒頭「チャラい記事」と云いましたが

来年も、自転車を知らない人に

長野県の自転車選手がこんなに頑張って走ってる!

と、語りたくなるような走りを期待しています。

 

 

 

関連LINK

長野県自転車競技連盟

信州シクロクロス

MTBリーグ

日本学生自転車競技連盟

日本自転車競技連盟

実業団自転車競技連盟